[出典] "Generation of knockout rabbits with X-linked severe combined immunodeficiency (X-SCID) using CRISPR/Cas9" Hashikawa Y, Hayashi R [..] Mashimo T, Nishida K. Sci Rep 2020-06-19

 免疫不全動物はヒト細胞または動物細胞を利用したin vivo移植実験に重要な研究資源であり、繁殖能力が取り扱いやすいことから免疫不全マウスがひときわ広く利用されている。マウスはしかし、小型で短命なため眼や血管など外科的処置が難しい部位があり、また、長期にわたる追跡が困難である。一方で、ブタやサルはサイズが大きく寿命が長いが、熟練や大規模な施設が必要になりひいてはコストが嵩み、また、世代交代に長期間を要する。ウサギは、マウスやラットとブタやサルとの間に位置し、両者の長所を備え、マウスとラットに次いで疾患モデルとして広く利用されている。
Table 1
 阪大と医科研に大阪府立大学と北山ラベスが加わった研究グループは今回、標題の手法によって作出したウサギ
 [Table 1引用右図参照]がT細胞とB細胞を欠損し胸腺低形成を示し、皮膚組織の同種間移植の成功率も高く、さらに、4世代にわたって安定して維持可能なX-SCIDモデルとして有用なことを示した。