[出典] "IncC conjugative plasmids and SXT/R391 elements repair double-strand breaks caused by CRISPR–Cas during conjugation" Roy D, Huguet KT, Grenier F, Burrus V. Nucleic Acids Res 2020-06-18

 Université de Sherbrookeの研究チームは今回、コレラ菌のタイプI CRISPR-CasシステムのエンドヌクレアーゼCas3に対して、多剤耐性因子を拡散するIncC接合性プラスミドpVCR94が耐性を示す分子機構を、トランスポゾンによる変異を導入に次世代シーケンシングを組合せたTnSeqにより探った。

 その結果、コレラ菌の制限酵素とCas3による切断に対する耐性をもたらす遺伝子クラスタを発見し、遺伝子クラスタから発現する2種類のタンパク質、一本鎖アニーリングを担うシナプターゼ (Red β)とバクテリアファージλ Redリコンビネーションシステムのエキソヌクレアーゼ (λ Exo)、によってCas3 が誘導したDNA二重鎖切断が修復されるとした。