[出典] "CRISPR-Cas9-Mediated Intersectional Knockout of Glycogen Synthase Kinase 3β in D2 Receptor Expressing Medial Prefrontal Cortex Neurons Reveals Contributions to Emotional Regulation" Khlghatyan J, Beaulieu JM. CRISPR J 2020-06-17.

 セリンンスレオニンキナーゼの一種であるGSK3βは一生にあたり脳内全域で発現し、神経系の発生、シグナル伝達および可塑性を制御し、気分、認知、社会的相互作用、および、うつ病様行動に関与する。

 GSK3βの活性はドーパミンD2受容体シグナル伝達によって制御されるが、D2受容体発現ニューロンは、皮質領域の各所にモザイク状に分布している。
U Torontoの研究チームは今回、GSK3βを標的とするsgRNAをAAVで注入することで、成体内側前頭前野 (medial prefrontal cortex; mPFC)内のD2ニューロン特異的にGSK3βをノックアウトを実現すると共に、細胞内の全てのmRNAフラグメントを網羅するトランスラトーム (transratome)を可能とするマウス系統 (D2Cre/LSL-Flag-Cas9/RiboTag)を作出した。

スクリーンショット 2020-06-27 9.06.44 この系によって [FIG 3引用右図参照]、Gsk3βノックアウトによるトランスラトームの変化や抗不安様作用を同定し、mPFC D2ニューロンのGsk3βが認知と社会的行動に関与することを示唆するデータを得た。