[出典] Type III-A CRISPR-associated protein Csm6 degrades cyclic hexa-adenylate activator using both CARF and HEPN domains. Smalakyte D [..] Siksnys V. Nucleic Acids Res 2020-08-07

 タイプIII CRISPR-Casシステムは、転写進行中のssDNAの標的部位で分解する機能と、二次情報伝達分子サイクリックオリゴアデニル酸(cAn)の生合成を介して非選択的にRNAを分解する機能を備えている。2017年に後者の現象を発見 [*]したVirginijus Šikšnysが率いる研究グループは今回、cAnを介したRNA分解活性が、Csm6によって抑制されることを報告した。
[*] CRISPRメモ_2017/08/07 [第3項] バクテリアの獲得免疫機構におけるセカンドメッセンジャー発見
  • Streptococcus thermophiles (St) type III-A CRISPR–Cas免疫システムにおいて、前述の2種類の分解活性を確認した。
  • HPLC-MS解析からE. coliで異所発現させたStCsmエフェクター複合体が主としてcA5とcA6を生合成することを同定した。
  • cA6はシグナル伝達分子としてStCsm6のCARFドメインに結合し、HEPNドメインを介した非選択的RNA分解を活性化する。
  • StCsm6のドメインを分析し、CARFドメインとHEPNドメインの双方が、リング・ヌクレアーゼとして機能しcAnを分解し、シグナルをOFFにすることを見出した。CARFドメインがcA6を直鎖状のA6>pおよびA3>pへと分解し、HEPNドメインはRNAを分解するが、タイプIII-A CRISPRシステムにおいてはcA6を含むcAnをA>pへと分解する。
  • 著者らは、タイプIII-A CRISPRシステムのCsmエフェクターとcA6活性化Csm6リボヌクレーアーゼを介して侵入ウイルスを排除する一方で、リング・ヌクレアーゼとして機能するCARFとHEPNのドメインの協働により、HEPNドメインのRNaseの活性を自己調節し、細胞内の二次情報伝達分子cAnを除去することを示唆した。
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