(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2015/04/13)
Nature Medicine誌4月号に、「ヒトの生殖細胞と胚のゲノム編集について、すぐにでも(urgently)、議論し規制を整えるべき」とする論説が掲載されている.
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Nature Medicine誌4月号に、「ヒトの生殖細胞と胚のゲノム編集について、すぐにでも(urgently)、議論し規制を整えるべき」とする論説が掲載されている.
- はじめに、MIT Technology Reviews 3月5日付けの記事"Engineering the Perfect Baby"以後の議論を、既出のNature 誌関連記事に沿って要約.
- 治療を目的としない(non-therapeutic/non-disease-related)生殖細胞系のゲノム編集を明確に否定.一方で、多重遺伝子性の表現形質のゲノム編集がもたらす結果を予測することや動物実験の結果をヒトへ外挿することも出来ないながらも、生殖細胞系のゲノム編集が唯一の治療法と成る遺伝疾患が存在することを指摘.
- ゲノム編集の安全性については、ターゲット遺伝子における想定外の変異、オフ・ターゲット編集、二対立遺伝子をターゲットとしたゲノム編集の完全性、モザイクの発生などが関心事であるが、いずれ克服することが可能.
- したがって、生殖細胞系において疾患遺伝子を修復可能にする技術を臨床応用することを前提とした議論が必要:技術の適正な行使を目指す規制;治療の影響を数世代にわたって追跡調査する方法と仕組みの整備;治療を受けられるか否かを巡る社会格差.
- ゲノム編集技術の急速な伸展と平行して、体外受精ミトコンドリア置換療法(子は、ミトコンドリア病の母と父の核DNAと健常者女性のミトコンドリアDNAを保有することになる)が、この2月に英国で合法化された.また最近、in vitroでヒト卵母細胞への体細胞核移植(somatic cell nuclear transfer)が行われた.これらの技術を巡る議論が、生殖細胞のゲノム編集を巡る議論の参考になる.
- 遺伝子組み換え技術の社会的受容をテーマとしたアシロマ会議のあり方やヒト胚性幹細胞(hESCs)をテーマとしたInternational Society for Stem Cell Research (ISSCR)のガイドラインも参考になる.ISSCRは、生殖細胞系のゲノム編集についても議論し、in vitro 研究は進めるが、臨床応用は行わないとしている.
- 2017年6月15日追記: "Toward Responsible Human Genome Editing"
CRISP_SCIENCE@ScienceCrisp
全米アカデミー報告書 "Human Genome Editing - Science, Ethics, and Governance (2017)"全米アカデミー報告書を受けて責任あるゲノム編集に向けて考察:基礎研究;体細胞編集による治療;遺伝子強化;生殖細胞系列編集による治療;規制監督へのパプリックの関与
2017/04/16 18:00:46
JAMA 0410 https://t.co/ae64kPMKuk
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