[出典] "Discovery and engineering of small SlugCas9 with broad targeting range and high specificity and activity" Ziying Hu, Chengdong Zhang [..] Hongyan Wang, Jixi Li, Yongming Wang. bioRxiv. 2020-09-29. [Preprint]

 Fudan Universityを主とする中国研究グループは、AAVでデリバリ可能なコンパクトなCRISPR/Cas9システムが臨床応用に望まれているが、既存の小型CRISPR/Cas9システムは、活性が低く、標的範囲が狭く、標的特異性も低いとして、今回、UniProtから小型CRISPR/Cas9システムとして有望なSaCas9のオーソログ3種類を発見し、比較評価した:Staphylococcus lugdunensis Cas9 (SlugCas9: NNGG PAM), Staphylococcus lutrae Cas9 (SlutrCas9: NNGRR), およびStaphylococcus haemolyticus Cas9 (ShaCas9: 
NNGGV (V=A or C or G) PAM
  • この中で SlugCas9は興味深いことに、PAM配列として、SaCas9のNNGRRTより短くまたSpCas9が認識するNGGに類したNNGGを認識し、SpCas9より~1 kb小型で、SaCas9と同等の活性を示した。
  • SlugCas9ニッカーゼをベースとしたとSlugBE4maxとSlugABEmaxはそれぞれ、C-to-T変換とA-to-G変換の効率として2.5%-44.0%と2.3%-41.5%を示した。
  • 研究グループは加えて、特異性と活性が高いSlugCas9-SaCas9のキメラ・ヌクレアーゼを作出し、また、SaCas9-HFの作出に倣って [*]、オンターゲットの編集活性を損なうことなくオフターゲット活性を抑制した高精度た変異体SlugCas9-HFを作出した。
    [*] 2029-10-02 高精度版SaCas9'SaCas9-HF'を合理的に作出
[著者らの先行研究関連crisp_bio記事]
  • CRISPRメモ_2020-04-07 - 2 [第6項] 著者らが開発した哺乳類細胞でのCas9スクリーニング法を介して、小型 (3.3 kb)でNNGG PAMを認識し、高活性を発揮し、AAVで容易にデリバリー可能で、CBEとABEのエフェクタとしても機能するStaphylococcus auricularis由来Cas9 (SauriCas9)を発見