[出典] "Illuminating Host-Mycobacterial Interactions with Genome-wide CRISPR Knockout and CRISPRi Screens" Lai Y [..] Lu TK. Cell Sys 2020-09-23. (bioRxiv 2020-03-31)

 多剤耐性結核菌や超多剤耐性結核菌が出現し、標的として結核菌の因子ではなく宿主因子を標的とする治療 (host directed therapy; HDT)法の研究開発が進められている。Timothy K Luを含むAntimicrobial Resistance Interdisciplinary Research Group, Singapore-MIT Alliance for Research and Technologyを主とするグループは今回、19,111遺伝子を標的とするCRISPR KOスクリーニングと、18,901遺伝子を標的とするCRISPRiすクリーニングにより、HDTの標的候補を同定した。
  • そのノックアウトまたは発現抑制がMycobacterium tuberculosis (Mtb)のプロキシーとしてMycobacterium bovis BCG (Bacillus Calmette-Guérin)を感染させた食細胞の生存性を高め、ひいては、結核菌の感染予防または結核治療の標的候補となる因子として、100種類を超える遺伝子を同定した。
  • 続いて、372遺伝子に絞った2次スクリーンにより、1型インターフェロンのシグナル伝達と芳香族炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor; AhR)のシグナル伝達、クロマチン修飾、PI3K/AKT活性化、自然免疫応答などの主要な遺伝子がHDT療法の標的候補として上がってきた。
  • その中で、1型インターフェロンのシグナル伝達とAhRのシグナル伝達をそれぞれ阻害するデュアルSYK / JAKキナーゼ阻害剤のセルドゥラチニブ (cerdulatinib)とCH223191 (aryl hydrocarbon receptor; AhR)拮抗剤CH223191がヒト・マクロファージの生存性を高め、結核菌の細胞内増殖を抑制することを確認した。