[出典] "CRISPR based editing of SIV proviral DNA in ART treated non-human primates" Mancuso P [..] Ling B, MacLean AG, Burdo TH, Khalili K. Nat Commun. 2020-11-27. https://doi.org/10.1038/s41467-020-19821-7
[注] SIVはヒト免疫不全ウイルスを意味しHIV-1, HIV-2の起源とされている; ARTは多剤併用抗ウイルス療法 (antiretroviral therapy)を意味する

 Lewis Katz School of Medicine at Temple UniversityとTulane National Primate Research Centerなどの研究グループは今回、HEK293T細胞モデルin vitroとアカゲザルモデルin vivoにおいて、CRISPR-Cas9技術によるHIV療法の可能性を示した。

 アカゲザルモデルについては、SIVを標的とするCRISPR-Cas9システム [Fig.2参照]をAAV9をキャリアとして静注したところ、SIVゲノムのリザーバとして知られているSIV感染血液細胞と骨髄、リンパ節、脾臓および脳も含む広範な組織において [Fig. 4参照]、宿主ゲノムに潜在しているプロウイルスDNAを切断・除去することを、同定した。