(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/17

  • Corresponding author: 胡桃坂仁志 (早稲田大学)
  • ヒストンの中でリンカーヒストン(H1またはH5)は、ポリヌクレオソームをより高次なクロマチン構造を保つ機能を有する.これまでに体細胞と生殖細胞に特異的で多様な機能を有すると思われるヒストン・サブタイプが同定されてきた.
  • 今回、体細胞と生殖細胞それぞれに特有な代表的リンカーヒストンH1.2とH1Tを含むポリヌクレオソームを試験管内で再構成し、H1TがH1.2よりもゆるんだ(less compacted)クロマチンを形成することを見出した.
  • 相同的対合(homologous-pairing)in vitro アッセイから、RAD51/RAD54を介した相同的対合の抑制が、生殖細胞のH1Tでは弱く、体細胞のH1サブタイプ(H1.0, H1.1, H1.2, H1.3, H1.4, およびH1.5)では強いことを見出した.
  • ヒト細胞in vivo 組換えアッセイからは、過剰なH1Tが組換え頻度に与える影響は最小限であるが、過剰なH1.2は組換えを強く抑制することを見出した.
  • 精巣特異的リンカーヒストンH1Tは、相同組換えといった染色体調節に必要なクロマチンを構築する機能を有することが示唆された.