(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/17CRISPR関連文献メモ_2016/01/17

  • Lander, E. S. "The Heroes of CRISPR." Cell. Published online 2016 Jan 14;164(1-2):18-28. Corresponding author: Eric S. Lander (Broad Inst.)
  • CRISPR技術発展に大きな貢献をした研究者を取り上げながら、微生物における奇妙な繰り返し配列からゲノム編集に至った道を振り返った:
  • CRISPRの発見(Mojica et al., 1993年);CRISPRは獲得免疫システムである;CRISPRが獲得免疫をもたらしヌクレアーゼの関与を示す実験検証;CRSIPRのプログラミング;CRISPRの標的はDNA;Cas9はcrRNAsにガイドされDNA二本鎖を切断する;tracrRNAの発見;他生物種におけるCRISPRの再構成;CRISPRのin vitro 研究;哺乳類細胞におけるゲノム編集;CRISPR技術拡散(CRISPR goes viral)
  • CRISPR技術研究の歴史から、科学技術研究のあり方について学ぶところ:
    • 医学のブレイクスルーは、予測不可能な源から生まれる:CRISPRの場合は、知的好奇心、生物兵器防衛、ヨーグルト生産からの研究が契機であった.
    • 仮説駆動型研究は今後も重要であるが、データ駆動型研究( “hypothesis-free” discovery based on big data)の重みが増す:CRISPRローカスとtracrRNAの発見は、ウエット研究ではなく、ビッグデータのバイオインフォマティックスから生まれた.
    • CRISPR技術の発展に貢献した研究成果が、30歳前の年代も含む“恐れを知らない” 若手研究者によって生み出されてきた:NIHのグランドを初めて獲得する平均年齢が42歳に達している.
    • CRISPR技術の画期的研究が“科学の足跡がまれな”ところから生まれ、論文の多くが主要ジャーナルからリジェクトされていた.トレンディーではないトッピクスを追求する自由は得られるが、ジャーナルとレビューワーの懐疑を克服する困難を伴う.
    • 科学のブレイクスルーは10年あるいはそれ以上にわたる協働の果実であり、ユーレカ・モーメントは稀である.
    • [注]「CRISPRの発見」の項では、Mojicaらが参考にしたという文脈で石野良純らの研究(1987年)にも触れられている.