l   Safe Genes Project米国DARPA国防高等研究計画局)は、20169月から同年1117日締め切りでゲノム編集の応用展開と安全確保を対象とする”Safe Genes”プロジェクトの課題を募集していたところ、2017719日になって4年間US$65Mの計画を発表した:“Building the Safe Genes Toolkit” DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency) News. 7/19/2017

Ø   受託機関は以下の7研究グループ:

²  Dr. Amit ChoudharyThe Broad Institute of MIT and Harvard

²  Dr. George ChurchHarvard Medical School

²  Dr. Keith JoungMassachusetts General Hospital

²  Dr. Kevin EsveltMassachusetts Institute of Technology

²  Dr. John GodwinNorth Carolina State University

²  Dr. Jennifer DoudnaUniversity of California, Berkeley

²  Dr. Omar AkbariUniversity of California, Riverside

Ø   プロジェクトには3つの目標が掲げられている:

²  生体系における時空間的にかつ可逆的に制御可能なゲノム編集ツール開発

²  生体内と生物集団において、ゲノム編集を限定し、ゲノムの完全性を保護する化学的ツール開発

²  生体系から望ましく無い改変遺伝子を除去し、ゲノムを原状へと復帰するツール開発

l   国家安全保障と遺伝子ドライブ研究開発
[出典] Callaway E. “US defence agencies grapple with gene drives.” Nature. 21 July 2017.

Ø   機密性が高い科学技術について米国政府にアドバイスする科学者で構成されるJASONは、6月の会合で、遺伝子ドライブの功罪を議論した。

Ø   近々、米国国家情報局(Office of the US Director of National Intelligence)のIntelligence Advanced Research Projects Agency (IARPA)は、遺伝子ドライブも含むゲノム編集技術により作出することが可能な潜在的脅威を帯びた遺伝子改変生物を検知する技術プログラムについて議論する。

Ø   DARPAが結果的に世界最大の遺伝ドライブ研究支援組織になったことが、遺伝子ドライブに対する社会的受容性を損なう恐れを指摘する研究者もいる。
[ 注] Bill and Melinda Gates FoundationTata Trustsが膨大な資金を遺伝子ドライブ研究に投じているが、前者はマラリア対策(Target Malaria)に特化し、後者はUCSDと共同で設立されたTata Institute for Active Genetics and Society (TIAGS)にて研究開発が進められる。