[注] 本記事は、ブログ記事「CRISPRメモ_2017/09/22_ヒト胚ゲノム編集と血液脈管形成細胞運命決定2件」に関連する記事となります
- 英国のヒト受精・胎生学管理機関 (Human Fertilisation and Embryology Authority: HFEA) は2016年2月1日、Francis Crick InstituteのKathy Niakanに、CRISPR/Cas9によるヒト胚ゲノム編集研究実施を認可した(ライセンスを付与した).
- HFEAは、英国において1990年に制定されたヒト胚の取扱いに関する法律(Human Fertilisation and Embryology Act: HFE Act)に基づいて1991年に設立された規制機関であり、これまでに審査の上、胚を対象とする研究を実施する機関にライセンスを付与してきた. Francis Crick Instituteはすでに胚を使用する研究のライセンスを取得していたが、今回、ゲノム編集の使用についてライセンスを取得した.
- Kathy Niakanらは不妊症の機構解明を目的として、健常な胚発生過程を一細胞から256細胞に至る7日間に重要な働きをする遺伝子を分析するとしている.例えば、OCT4(POU5F1 )の阻害実験を行う.胚は、体外受精の際にインフォームドコンセントを得た余剰の胚を使用する.
- 胚の使用は研究に限定され、体外受精に使用することは認められていない.
- 今後、研究所において倫理委員会の承認を得たのちに、実験研究が開始される.
- [参考資料] HFEAからの情報および各種報道(2016 Feb 1)
HFEAアナウンス:HFEA approves licence application to use gene editing in research.
BBCニュース:Scientists get 'gene editing' go-ahead.
The Wall Street Journalニュース:U.K. Regulator Approves Technique to Genetically Modify Human Embryos.
Science ニュース:U.K. researcher receives permission to edit genes in human embryos.
Nature ニュース:UK scientists gain licence to edit genes in human embryos.
コメント