1.DNA修復におけるNHEJHRの選択

[出典] “Regulation of DNA repair pathway choice in S and G2 phases by the NHEJ inhibitor CYREN.” Arnoult N, Karlseder, J. Nature. Published online 20 September 2017.
  • 二本鎖DNA切断(DSB)修復において、細胞周期依存で古典的NHEJcNHEJ)と相同組換え(HR)が競合する。HRG1期で阻害され、S期とG2期で双方が活性化されるがその間cNHEJが常にHRを凌駕するわけではない。
  • 今回、研究チームは”short ORF-encoded peptide”の一種であるCYREN (cell cycle regulator of NHEJ)が、細胞周期において姉妹染色分体存在する時期にcNHEJを阻害し、エラーフリーなHRを亢進することを見出した。
  • CYRENを抑制すると、損傷修復が抑制されているテロメアにおいて、S/G2期にcNHEJを誘起し、CYRENを欠損した細胞では、特にG1期以外で、損傷による染色体異常が蓄積した。
  • CYRENKu70/80ヘテロ二量体に結合することで活性化し、オーバーハング(*)を伴う切断部位を保護して、cNHEJを阻害する。
    (*)Cas9により平滑な切断を、Cas9 D10Aにより5末端または3末端のオーバーハングを生成

2.CRISPRのスペーサの空間は、ほとんど種特異的モバイロームで埋め尽くされている

[出典] “The CRISPR Spacer Space Is Dominated by Sequences from Species-Specific Mobilomes.” Shmakov SA, Sitnik V, Makarova KS, Wolf YI, Severinov KV, Koonin EV. mBio. 2017 Sep 19;8(5). pii: e01397-17.

 CRISPR-Cas
システムは、侵入DNA由来の特異的スペーサーをCIRPSRアレイに挿入し、次の侵入に免疫応答する。しかし、CRISPRアレイ中のスペーサーのほとんどはCRISPR”暗黒物質(dark matter)”である。すなわち、ウイルス、プラスミド及び微生物ゲノムの中に相同な配列(プロトスペーサー)を同定可能なスペーサーは極めて少ない。

 著者等は今回、バクテリアとアーケアゲノムから同定した42,352種類のCRISPR-cas遺伝子座を網羅的に解析し、ユニークな363,460スペーサーのうち対応するプロトスペーサーを同定できた割合が、CRISPR-Casのサブタイプと微生物種に依存し、数値としては0%20%(〜平均7%)であることを見出した。
  • プロトスペーサーについては、その80〜90%がウイルス/プラスミド由来であった。
  • プロトスペーサーを発見できなかったスペーサのほとんどは、微生物ゲノムに組み込まれた主としてプラスミド接合または複製に関与する遺伝子 (モバローム)由来であった。
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3.CRISPR-Cas13aでは、RNA結合とHEPNヌクレアーゼ活性化が共役していない

[出典] “RNA binding and HEPN nuclease activation are decoupled in CRISPR-Cas13a.” Tambe A, East-Seletsky A,  Knott GJ,  Doudna JA,  O'Connell MR. bioRxiv Posted September 19, 2017. (Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International)

4.一分子解析で改変Cas9seCas9Cas9-HF1)の特異性が向上した機構を解明

[出典] “Mechanisms of improved specificity of engineered Cas9s revealed by single molecule analysis.” Singh D, Wang Y, Mallon J, Yang O, Fei J, Poddar A, Ceylan D, SBailey S, Ha T. bioRxiv. Posted September 22, 2017. (No reuse allowed without permission)