• [出典] Stella S, Alcón P, Montoya G. “Class 2 CRISPR–Cas RNA-guided endonucleases: Swiss Army knives of genome editing” Nat Struct Mol Biol. 2017 Oct 16.
  • バクテリアの獲得免疫応答機構として進化してきたCRISPR-Casシステムの中で、クラス2タイプⅡ CRISPR-Cas9がゲノム工学に広く利用されている。ノボノルディクス財団の寄付によりコペンハーゲン大学に設立されたタンパク質研究センターの研究チームは今回、Cas9とは異なる機構でDNAを認識・切断するCRISPRクラス2タイプVのエンドヌクレアーゼ(特に、Cpf1(Cas12a)とC2c1(Cas12b))の構造・機能を、Cas9と比較しながらレビュー(参考文献 - 主として 2010年から2017年の論文 91件;参照構造 - 20 PDB IDs)。
  • このところ、エンドヌクレアーゼの反応過程の各段階を捉えたエンドヌクレアーゼを含むRNPの構造解析データが蓄積され、標的DNAの認識・巻き戻し・切断の分子機序の詳細が明らかになり、以下のように反応段階ごとのCas9との比較が可能になった:エンドヌクレアーゼとtracrRNA/crRNAまたはcrRNAとの二元複合体の形成;PAM配列の認識;標的DNAの巻き戻しとDNAスキャン;DNA巻き戻しから切断への遷移ステージ;R-ループの構造;二本鎖切断(DSB)と触媒活性(切断後のDNAは平滑末端か突出末端か - Cas9は2種類の触媒ドメインによってPAMサイトの直下に平滑末端DSBを生成し、Cpf1とC2c1は、PAM配列から遠位に突出末端DSBを生成する。すなわち、Cpf1とC2c1は、認識サイトと触媒活性を発揮するサイトが物理的に離れている)
 [図表など]
  - Box 1:CRISPR-Casの概要(Cas9/Cpf1/C2c1のCRISPR遺伝子座の構成、cRNA生成
    および二本鎖切断の対照図)
  - Table 1:立体構造概要比較(アポ状態;RNA結合;PAM結合;Rループ形成
  (DSBの前後)
  - Table 2:サイズ、PAM、触媒サイトなどの比較
  - Figure 1:ドメイン構造と立体構造の比較
  - Figure 2:PAMに依存した標的DNA認識の構造基盤の比較
  - Figure 3:標的DNA認識時のコンフォメーション変化の比較
  - Figure 4:R-ループ形成時のCpf1のコンフォメーション変化
  - Figure 5:エンドヌクレアーゼ、PAMおよびRNAの三者複合体の構造比較