1.遺伝子ドライブは制御不能になる
  • CRISPR技術を利用した遺伝子ドライブに対しては、抵抗性のアレルが発生するが故に、自然集団へと侵襲する恐れはないとする報告が最近発表された。Kevin M. EsveltはCharleston NobleやGeorge M. ChurchらとのbioRxiv投稿およびPLosBiologyへのPERSPECTIVE投稿で、遺伝子ドライブの侵襲性について警鐘をならした。
  • 数理モデルによる検証に基づき、"standard drive system" は、開発すべきでなく、宿主生物が生息する地域で実地試験すべきではないとした:
  • ニュージーランドの遺伝子ドライブによる地域からの害獣駆除の計画に言及し、遺伝子ドライブの想定外な拡散の危険性を指摘し、より安全な遺伝子ドライブ技術(Daisy chain drive;下図参照)を紹介し、遺伝子ドライブ技術については国際的にオープンな議論をしていくべきと主張:
Dasy chain drive
2.学術と特許の二兎を追う:CRISPR特許係争に学ぶ
  • 1980年のバイドール法以来、研究者と研究機関は二兎を追い始めたことの弊害、"broad patent"の扱いを巡る問題を論じ、CRISPR技術を巡る特許係争を契機としたバイドール法の改訂を検討すべきと主張。