[注] 本稿はCRISP_SCIENCEのCRISPR関連2017年11月22日ツイートに準拠しています。

1.CreでCas9の発現を誘導可能なブタ系統を樹立し、短期間で肺癌モデルブタを作出
  • [出典]"Cre-dependent Cas9-expressing pigs enable efficient in vivo genome editing" Wang K, ~ Li X, Lai L. Genome Res. 2017 Nov 16.
  • ブタのRosa26遺伝子座に、loxPのペアや反転させたSpCas9-T2A-tdTomato(iCas9)などの発現カセットをTALENでノックイン(下図 Figure 1-A参照)したpRosa26-iCas9ブタは、野生型ブタと組織学的に同一であり、野生型との交配から得た21の産仔のうち12個体がpRosa26-iCas9を継承
  • pRosa26-iCas9由来繊維芽細胞においてブタからヒトへの臓器移植に対する超急性拒絶反応に関与するGGTA1遺伝子の編集、および、3種類の遺伝子(APC, BRCA1, BRCA2)を80%以上の効率で実現(下図 Figure 2参照)
Cre-dependent Cas9 pig 1 Cre-dependent Cas9 pig 2
  • pRosa26-iCas9由来繊維芽細胞において肺癌の原因となるEML4-ALK遺伝子融合も実現(下図 Figure 3参照)
  • pRosa26-iCas9由来繊維芽細胞において、4'-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)投与によりCre-loxPの組換えを誘導することで、SpCas9の発現を調節可能なことを確認(下図 Firue 4参照)
Cre-dependent Cas9 pig 3 Cre-dependent Cas9 pig 4
  • pRosa26-iCas9ブタの肺にCreとsgRNAsを注入することで、癌抑制遺伝子5種類(TP53, PTEN, APC, BRCA1およびBRCA2)を不活性化し加えて癌遺伝子KRASを活性化し、肺癌モデルを作出
2.[プロトコル]非ヒト霊長類(NHP: non-human primate)iPSCsへの安全かつ効率的遺伝子導入
  • [出典]"CRISPR/Cas9-Based Safe-Harbor Gene Editing in Rhesus iPSCs" Yada RC, Ostrominski JW, Tunc I, Hong SG, Zou Jm Dunbar CE. Curr Protoc Stem Cell Biol. 15 NOV 2017.
  • アカゲザルiPSCsのゲノム・セーフ・ハーバー領域へのCRISPR/Cas9による標的マーカまたは治療用遺伝子の挿入、標的クローンのスクリーニングおよびオフターゲット活性評価法
3.[レビュー]ゼブラフィッシュ遺伝子編集CRISPR/Cas9ツールセットの拡充とその網膜再生研究への応用
4.[展望]CRISPR-Cas9技術が復活させるTRIM5αを標的とするHIV-1免疫療法
  • [出典]"Targeting TRIM5α in HIV cure strategies for the CRISPR-Cas9 era" Weatherley DA, Boswell MT,  Rowland-Jones S. Front Immunol. 22 November 2017.
  • ヒトTRIM5αのHIV-1抵抗性は限られているが、アカゲザルTIRM5αは、C末端のPRY/SPRY B30.2ドメインにおける特定のアミノ酸の効果によって、HIV-1を完全に阻害することが知られている。したがって、HIV感染者からのHSCsのTRIM5αをCRISPR/Cas9により編集し感染者に戻す免疫療法が可能である(下図参照)。Targeting TRIM5α in HIV
5.SaCas9によるCXCR4の遺伝子改変が、HIV-1感染に対する耐性をもたらす
  • [出典]"Genome modification of CXCR4 by Staphylococcus aureus Cas9 renders cells resistance to HIV-1 infection" Qiankun Wang Q, ~ Guo D. Retrovirology. 2017 Nov 15;14(1):51.
  • サイズの大きなSpyCas9に替えて小型のSauCas9を、レンチウイルスでヒトCD4陽性T細胞株に送達することで、また、初代ヒトCD陽性T細胞にAAVで送達することで、CXCR4遺伝子の編集を実現
6.ヒトゲノム全域を対象としてCRISPR/Cas9 sgRNAとの相同性を効率よく検索するアルゴリズムを開発
7.[レビュー]CRISPRゲノム編集による神経変性症の治療