[注] 本稿はCRISP_SCIENCEのCRISPR関連ツイート(2017年12月15日)に準拠しています。

1.[プロトコル]ゲノムワイドCRISPRスクリーニングからの次世代シーケンシングライブラリー構築
2.[レビュー]遺伝子編集と幹細胞
  • [出典] "Gene editing & stem cells" Harrison PT, Hoppe N, Martin U. J Cyst Fibros. 2017 Dec 9.
  • ゲノム工学入門;嚢胞性線維症(CF症)のモデリングとドラック・スクリーニングのためのゲノム改変iPS細胞;幹細胞と遺伝子編集に関わる法と倫理
3.DNAポリメラーゼθのヘリカーゼ・ドメインが複製タンパク質A(RPA)に抗して、alt-NHEJを亢進する
  • [出典] [NEWS & VIEWS] "Polθ helicase: drive or reverse" Campbell JL, Li H. Nat Struct Mol Biol. 2017 Dec;24(12):1007-1008.  [ARTICLE] "The helicase domain of Polθ counteracts RPA to promote alt-NHEJ" Mateos-Gomez PA, Kent T, Deng SK, McDevitt S, Kashkina E, Hoang TM, Pomerantz RT, Sfeir A. Nat Struct Mol Biol. 2017 Dec;24(12):1116-1123.
  • 哺乳類のポリメラーゼ・シータ(Polθ)は多機能な酵素であり、修復エラーが起きやすい代替非相同末端再結合(alternative nonhomologous end joining, alt-NHEJ/microhomology-mediated end joining, MMEJ)修復を亢進する。Agnel Sfeirら米国の研究チームは今回、マウスES細胞においてCRISPR-Cas9によりPolθをコードするPolqのヘリカーゼ・ドメイン、ポリメラーゼ・ドメインおよびRad51結合ドメインに変異を導入・解析し、Polθのヘリカーゼドメインがalt-NHEJを亢進することを明らかにした。
  • Polθはそのヘリカーゼ活性を介してDSBsで生成された単鎖DNAからRPAを除去し、そのアニーリングとalt-NHEJ過程による結合を亢進する
  • RPAとalt-NHEJは拮抗関係にあり、RPA1を阻害すると末端結合が促進されて組換えが抑制され、Polθを阻害するとHRを介したCRISPR-Cas9遺伝子ターゲッティングの効率が向上する。
4.ES細胞における典型的非相同末端結合(cNHEJ)とポリメラーゼθ(Polθ)を介した末端結合(TMEJ)の変異シグナチャー
  • [出典] "Mutational signatures of non‐homologous and polymerase theta‐mediated end‐joining in embryonic stem cells" Schimmel J, Kool H, van Schendel R, Tijsterman M. EMBO J. 2017 Oct 27. 
  • cNHEJとTMEJが、生殖細胞系列およびES細胞における二本鎖DNA切断(DSB)の修復および変異誘導にどのように関与するかを明らかにした(Synopsis 参照)
Mutational signatures of
  • HRRT遺伝子座にCRISPR-Cas9で生成した平滑末端あるいは粘着末端の修復過程を解析
  • cNHEJとTMEJの基質特異性を同定
  • 幹細胞において、HRとcNHEJが機能している場合も含めてTMEJがDSB修復に主要な役割を果たしている。これはヒト疾患に見られるTMEJシグナチャーと整合する。
  • さらに予想外にも、3'ssDNAが突出したDSBのcNHEJを介したエラーが起きやすい修復が、ゲノム多様化といくつかの疾患に関わる縦列重複をドライブする。