• [出典]"Dual direction CRISPR transcriptional regulation screening uncovers gene networks driving drug resistance" le Sage C, Lawo S, Panicker P, Scales TME, Rahman SA, Little AS, McCarthy NJ, Moore JD, Cross BCS. Sci Rep. 2017 Dec 18;7(1):17693.
  • プール型CRISPR-Cas9ノックアウト(以下、CRISPRko)スクリーンは、創薬標的の同定と評価法に新たな展開をもたらしたが、増幅が起きているゲノム領域からは、DNAの多重切断を介した偽陽性が混入する問題を伴っている。
  • ゲノムワイドでの機能喪失スクリーンと機能獲得スクリーンには、ヌクレアーゼ活性を欠損させたCas9(dCas9)に基づくCRISPRiとが開発され、活用されている。
  • Horizon Discoveryの研究チームは今回、CRISPRko, CRISPRi、CRISPRaの3手法による薬剤耐性・感受性関連遺伝子のゲノムワイドスクリーンを同一条件(BRAF阻害剤, ベムラフェニブ;A375メラノーマ細胞;用量;投与のタイムコース)で実施し、3手法を比較評価した(Figure 1 参照)。CRISPRaは、BRAS阻害剤、PLX-4720、についても適用。
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  • CRISPRkoスクリーンとCRISPRiスクリーンの結果は実質的に一致したが、改変tracrRNAを利用したCRISPRスクリーンは、いくつかの遺伝子についてはより高感度で同定。
  • CRISPRiでは、CRISPRkoとは異なり、ノックダウンが薬剤応答に与える影響の解析、必須遺伝子を対象とするスクリーン、DNAの多重切断の影響回避、が可能である。
  • CRISPRiスクリーンとCRISPRaスクリーンの結果は相補的であり整合、例えば:EGFRIGTB5の発現欠損が薬剤感受性をもたらし、発現亢進が薬剤耐性をもたらす;SOX10, CUL3そしてMYCの発現阻害が薬剤耐性をもたらし、発現亢進が薬剤感受性をもたらす(Figure 5 参照)
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  • CRISPRiとCRISPRaはまた、CRISPRkoと異なり可逆的であり、lncRNAsを標的とするスクリーンにもより適している。