• [出典]Meredith Wadman. "[NEWS]Alzheimer’s protein may spread like an infection, human brain scans suggest" Science. Jan. 5, 2018 , 2:05 PM;[論文]Cope TE et al. "Tau burden and the functional connectome in Alzheimer’s disease and progressive supranuclear palsy" Brain 2018 Jan 5
  • アルツハイマー病(AD)において、脳各部位と密に結合している'hub'領域に、病理と萎縮が発生する傾向があるが、その発生機序として2種類の仮説がなりたつ:(1) hubには、プリオンのように経ニューロン性(trans-neuronally)伝搬する病原性タンパク質が到達する頻度が、hub以外の部位より高いことによる;82) 神経栄養因子の欠損、高い代謝要求性あるいは独特な遺伝子発現といった局所的条件の差異による。
  • Thomas E. Cope(U. Cambridge)らは今回、AD患者17名、進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy: PSP)患者17名および対照患者17名のコホートを対象とする、AV-1451リガンドを利用したin vivo PETと、静止状態fMRIのグラフ理論解析から、タウの蓄積と機能的結合のマップを作成・比較し、AD患者では仮説(1)に整合する結果を、PSP患者では仮説 (2)に整合する結果を得た(2種類の指標グラフについて下図参照)。 
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  • この結果は、「ADでは神経変性が皮質全体にひろがる大規模な機能的結合と相関するのに対して、PSPでの神経変性は皮質下の少数の部位と相関する」ことと整合する。
  • 本研究によって、タウの伝搬プロセスを標的とする療法の可能性が示されたが、今後、より大規模なコホートを対象とする経年変化の解析が待たれる。