1.タイプ II-A SauCas9とタイプ II-C CjeCas9は、ssRNAも切断する
  • [出典]Strutt SC, Torrez RM, Kaya E, Negrete OA, Doudna JA. "RNA-dependent RNA targeting by CRISPR-Cas9" eLife. 2018 Jan 5;7.
  • CRISPR-Casシステムは多様である。例えば、タイプ II CIRPSR-Cas9は、二本鎖DNA(dsRNA)を選択的に基質として結合し切断する一方で、サブタイプⅢとVIは、一本鎖RNA(ssRNA)を基質とする特徴を帯びている。
  • Jennifer A. Doudnaらは今回、Staphylococcus aureu由来Cas9(SauCas9:サブタイプ II-A)と Campylobacter jejuni由来Cas9(CjeCas9:サブタイプII-C)が、dsDNAだけでなくssRNAを基質とすることを見出した:
  • PAMに依存することのないRNA誘導型一本鎖RNA切断活性を帯びている(SauCas9とCjeCas9の構成と活性- 下図左Figure 1のAの2段目と4段目およびB参照;PAM非依存性 - 下図左Figure 1-C参照)
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  • In vitro実験により、dsRNAを基質としないこと、ssRNAの切断活性がPAMに依存しない一方でssRNAの構造に依存することを同定(上図右Figure 2参照)。
  • In vivoでのssRNAファージの感染を抑制することが可能である(下左図Figure 3参照)。
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2.ヒトはSpCas9とSaCas9に対する抗体を帯びている
  • [出典]Charlesworth CT, Deshpande PS, Dever DP, Dejene B, Gomez-Ospina N, Mantri S, Pavel-Dinu M, Camarena J, Weinberg KI, Porteus MH."Identification of Pre-Existing Adaptive Immunity to Cas9 Proteins in Humans" bioRxiv Posted January 5, 2018. Nature Medicine 2019-01-28.
  • Matthew H. Porteus(Stanford U)らは今回、CRISPR-Casエフェクターの中で最もよく利用されているCas9が、ヒトに感染するStreptococcus pyogenesStaphylococcus aureusに由来するSpyCas9とSauCas9 であることから、血清中の抗-Cas9抗体と、末梢血中の抗-Cas9 T細胞を測定
  • 血清中のSpyCas9とSauCas9が、それぞれ被験者の65%と79%で検出された。末梢血中の抗-SauCas9は被験者の65%で検出されたが、抗-SpyCas9の検出には至らなかった(後者は検出感度との関連から、かならずしも非存在を意味しない)。
  • SpyCas9とSayCas9のin vivo臨床応用に対する障害要因
  • 本論文は2019年1月28日にNature Medicineにて刊行:"Identification of preexisting adaptive immunity to Cas9 proteins in humans" Charlesworth CT [..] Weinberg KI, Porteus MH. Nat Med. 2019-01-28bioRixv版では未検出であった末梢血中の抗-SpyCas9を検出、また、血清中のSpyCas9とSauCas9の検出頻度をそれぞれ78%と58%へ、および、抹消血中の抗-SpyCas9と抗-SauCas9の検出頻度をそれぞれ67%と78%へと改訂
 関連crisp_bio記事 (追記)
  • CRISPRメモ_2018/04/06 - 1. ヒト細胞はSpCas9に対して特異的なエフェクターT細胞と制御性T細胞を生成する
  • CRISPRメモ_2018/03/08 - 5.[NEWS]bioRxiv投稿論文がもたらしたCIRPR関連会社の株暴落とその後