1.Myoediting:CRISPR/Cas9ゲノム編集を介したエクソンスキッピングによるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)療法
  • [出典] Long C, ~ Olson EN. "Correction of diverse muscular dystrophy mutations in human engineered heart muscle by single-site genome editing" Sci Adv. 2018 Jan 31.
  • University of Texas Southwestern Medical CenterのChengzu LongとEric N. Olsonらを始めとする米独の研究チームは今回、CRISPR/Cas9を介してDMD病因変異を帯びたエクソンをスキップすることで、3次元心筋モデル(3D-engineered heart muscle; 3D-EHM)の変異型の表現型からほぼ正常な表現型への修復を実現し、このエクソン・スキッピングを"myoediting"と命名した。
  • DMDの病因変異は、X連鎖ジストロフィン遺伝子(DMD)に3,000種類以上見出され、これらの変異は"ホットスポット(hotspots)"と呼ばれる部位に集中している。研究チームは今回、真核生物のスプライスアクセプター部位、スプライスドナー部位およびCRISPR/Cas9 PAM配列の配置の間の”幸運な”相関を活かして、CRISPR/Cas9を介したNHEJによるindels変異導入により、DMD遺伝子の12エクソン(exons)のRNAスプライス部位を消失させることで、ホットスポット内あるいはその近位における変異エクソンまたはアウトオブフレームエクソンのスキップを実現(下図左 Fig. 1)。
DMD 1 DMD 2
  • 3D-EHM:代表的なDMD変異3種類(エクソン48-50の大規模欠損;イントロン点変異;重複変異)を帯びたDMD iPSCを入手あるいは全血由来末梢血単核球から作出し、心筋へと誘導(iCMs)し、3D-EHMを構築(上図右 Fig.4-A
  • Myoeditingにより、ジストロフィンの発現および筋収縮力が回復し、また、心筋の30〜50%のゲノム編集によって、3D-EHMの表癌型修復が実現(上図右 Fig.4 B-F)
2.CRISPR/Cas9によるHIVの治癒(cure)には、ウイルスの多様性を勘案することが必須
  • [出典] Roychoudhury P, Feelixge HDS, Reeves D, Mayer BT, Stone D, Schiffer JT, Jerome KR "Viral diversity is an obligate consideration in CRISPR/Cas9 designs for HIV cure" 
    bioRxiv. Posted January 27, 2018.
  • HIVのLTR、gagおよびpolの配列データからこれらを標的とするgRNAを設計し、HIV-1グループMとサブタイプA-Cでの配列保存性で、gRNAをランキング;LTR遺伝子において配列保存性が高いサイトを標的とする59 gRNAsを選択し、in vitroで活性評価;効果的なsgRNAの設計にあたっては、HIVの株および宿主内でのHIVの多様性を考慮することが必要なことを示し、抗レトロウイルス療法とCRISPR遺伝子治療の併用療法を支援する数理モデルを提案。
3.[レビュー]遺伝性および炎症性眼疾患のゲノム医学
  • [出典] Singh M, Tyagi SC. "Genes and genetics in eye diseases: a genomic medicine approach for investigating hereditary and inflammatory ocular disorders" Int J Ophthalmol. 2018 Jan 18;11(1):117-134.
  • 過去25年間にわたり、眼疾患関連遺伝子情報が蓄積されてきた成果を踏まえた遺伝眼科学およびCRISPR/Cas9などによるゲノム編集のレビュー:加齢黄斑変性;白内障;緑内障;遺伝性視神経萎縮症;マルファン症候群;近視;ポリープ状脈絡膜血管症;網膜色素変性;シュタルガルト病;ブドウ膜黒色腫;遺伝子診断・相談のフローチャートあり
4.毛嚢発生と発毛サイクルの機序解明を目的として、線維芽細胞増殖因子FGF21のノックアウトマウスモデル作出
  • [出典] Liu X, Zhang P, Zhang XF, Li X, Bai Y, Jia KR, Guo XD, Zhang H, Ma XY, Cang M, Liu DJ, Guo XD. "Construction of FGF21 knockout mouse models by the CRISPR/Cas9 system" Yi Chuan. 2018 Jan 20;40(1):66-74.
5.[レビュー]哺乳類細胞への多重遺伝子送達の進展と応用