(構造生命科学ニュースウオッチ2016/04/02から転載)

  • [出典]"GI Tract Bacteria Helps Decrease Stroke" Weill Cornell News Posted March 28, 2016 11:55 AM."Commensal microbiota affects ischemic stroke outcome by regulating intestinal γδ T cells." Corinne Benakis et al. Nat. Med. 2016 Mar 28.
  • Corresponding author: Josef Anrather (Weill Cornell Medical College)
  • 腸内共生菌叢が宿主の免疫システムを介して脳を含むいくつかの器官における疾患の経過に影響を与えることが明らかにされてきた.今回、Josef Anratherら Weill Cornell Medical CollegeとMemorial Sloan Kettering Cancer Centerの共同研究チームは、モデルマウスにおいて、腸内菌叢が急性脳損傷の予後に及ぼす影響を分析した.
  • 抗生物質のアモキシシリン/クラブラン酸によってマウスの腸内菌叢組成を改変したマウスとアモキシシリン/クラブラン酸耐性のマウスについて、脳卒中を起こした後の脳損傷を比較した.
  • その結果、抗生物質による腸内菌叢改変が小腸の免疫恒常性に影響を与えることが脳損傷を軽減に繋がっていることを見出した: 小腸において免疫恒常性を維持する樹状細胞の活性が腸内菌叢改変を受け、制御性T細胞の増加とエフェクターT細胞(インターロイキン(IL)-17陽性γδT細胞)の減少をもたらし、ひいては脳から軟髄膜へ遊走して脳に炎症を誘導するエフェクター細胞を低減する.制御性T細胞はエフェクター細胞を低減させるが、その際に、IL-10を必要としていた.
  • 抗生物質を投与したマウスの腸内菌叢は、抗生物質を投与しなかったマウスに移植すると、前者と同様に脳卒中後の脳損傷を抑制した.