CRISPR前史のシステム例SCRIBE (Synthetic Cellular Recorders Integrating Biological Events)
  • Farzadfard F, Lu TK. "Genomically encoded analog memory with precise in vivo DNA writing in living cell populations." Science. 2014 Nov 14;346(6211):1256272
  • 任意の転写シグナルに応じてssDNAをin vivo生成し、リコンビナーゼを介して、ゲノム上の特定の遺伝子座に組込み、シグナルを記録する。
mSCRIBE(Mammalian Synthetic Cellular Recorders Integrating Biological Events) 
  • Perli SD, Cui CH, Lu TK. "Continuous genetic recording with self-targeting CRISPR-Cas in human cells" Science. 2016 Sep 9;353(6304):aag0511. Published online 2016 Aug 18;bioRxiv Posted May 20, 2016.
  • CRISPR前史に、任意の転写シグナルに応じてssDNAをin vivo生成し、リコンビナーゼを介して、ゲノム上の特定の遺伝子座に組込み、シグナルを記録するSCRIBE (Synthetic Cellular Recorders Integrating Biological Events)法を開発したTimothy K. Lu (YouTubeビデオ 〜48分)のCRISPR版SCRIBE, mSCRIBE
  • crisp_bioブログ記事参照:CRISPR関連文献メモ_2016/06/10(5件)- 3. 細胞バーコード:mSCRIBE(Mammalian Synthetic Cellular Recorder Integrating Biological Events)法
TRACE (Temporal recording in arrays by CRISPR expansion):Columbia University.
  • Sheth RU, Yim SS, Wu FL, Wang HH. "Multiplex recording of cellular events over time on CRISPR biological tape" Science. 2017 Dec 15;358(6369):1457-1461. Published online 2017 Nov 23.;大腸菌製世界最小テープレコーダー(YouTubeビデオ 1:26)
  • ラクトースオペロンの転写を誘導するイソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)に応答して細胞内で増幅するトリガー・プラスミド(pTrig)と、アンヒドロテトラサイクリン(aTC)によりテトラサイクリンプロモーターを介してCas1とCas2の発現が誘導されるレコーディング・プラスミド(pRec)を組み合わせて、IPTG暴露を大腸菌のCRISPRアレイに時系列で記録しかつシーケンシングにより読み出すことが可能なことを実証
  • 加えて、MAGE(YouTube解説ビデオ)法で3'末端ダイレクトリピート(DR)の変異をバーコードとして帯びた大腸菌集団の生成と、3種類のpTrigを開発することで、3種類の外部刺激(重金属(銅)、食用砂糖代謝物(トレハロース)および消化管感染に関連するフコース)の同時記録が可能なことを実証。
  • TRACE法の腸内や土壌または海洋といった自然環境における代謝変動、遺伝子発現変化、細胞系譜の追跡への利用を期待。
CAMERA (CRISPR-mediated analog multi-event recording apparatus):Broad Inst.
  • Tang W, Liu DR. "Rewritable multi-event analog recording in bacterial and mammalian cells" Science. 2018 Feb 15;[NEWS] Cohen J. "Genome editor CRISPR’s latest trick? Offering a sharper snapshot of activity inside the cell" Science. Feb. 15, 2018 , 2:00 PM.  
  • NEWS記事によると、mSCRIBEを開発したTimothy K. Luは「CAMERAは効率も精度もmSCRIBEを超える;mSCRIBEはバクテリア限定で、何十倍もの細胞を必要とし、S/N比が低い」と評した。CAMERA1とCAMERA2の2タイプが存在するが、CAMERAによる記録は10〜100個の細胞数で十分である。
  • CAMERA1は、野生型EGFP遺伝子プラスミドR1と、野生型から3塩基変異させたEGFP遺伝子プラスミドR2を形質転換しておき、シグナルに応じてaTc-TetOシステムでR1を標的とするCas9の発現を誘導することで、シグナルの振幅と継続時間をR1:R2の比率へと変換;Cas9発現誘導システムとしてIPTG-LacOシステムを追加し、多重化CRISPR1.1へと拡張;さらに記録の消去と再記録を、R1とR2を異なる抗生物質(クロラムフェニコールとカナマイシン)に対する耐性を帯びたR3とR4置き換えて実現したCAMERE1.2と、抗生物質耐性に変えて、プラスミドのペアの双方を標的とする2種類のsgRNAを利用することで実現したCAMERA1.3を開発;
  • CAMERA2は、一塩基編集 (BE) を介した一塩基改変を記録装置として利用する。E. coliではBE2を利用し、多重化(CAMERA2.1/2.2/2.3/2.4)も実現;また、部分的に重なり合うsgRNAsを利用することで、シグナルの順も記録可能に(CAMERA2.5/2.6);バクテリアにおいてCAMERA2.0によるファージ感染と光照射の記録を実証(CAMERA2.6と2.7);BE3を利用してHEK293T細胞で機能するCAMERA 2mを、ヒトのセーフ・ハーバー座位CCR5を記録用遺伝子座とすることで実現し、薬剤の存在に加えて、Wntシグナル伝達に応答するプロモーターでBE3の発現を制御することで、ヒト細胞内のWntシグナル伝達記録が可能なことを実証