• [出典]"Repetitive DNA Reeling by the Cascade-Cas3 Complex in Nucleotide Unwinding Steps" Loeff L,  Brouns SJJ, Joo C. Mol Cell April 26, 2018. (bioRxiv. Posted October 24, 2017)
  • タイプ I CRISPR/Casシステムでは、Cascade-crRNAが外来DNAに非特異的に結合した後にDNA上を移動しPAMを介して切断標的サイトを認識し、Cas3ヘリカーゼ/ヌクレアーゼが標的サイトを切断する。
  • デルフト工科大学の研究チームは今回一分子FRET (smFRET)技術を利用して、切断過程でのDNA巻き戻しとヘリカーゼ・ドメインとヌクレアーゼ・ドメインの共役の分子機構を初めて明らかにした。
  • ポリエチレングリコールで被覆したスライドに固定したCas3と、標識したdsDNA基質に結合したCascadeとの相互作用を、全反射照明蛍光顕微鏡 (TIRF)にてリアルタイムで観察
  • Cas3は、dsDNA上を移動中のCascadeからは遊離しているが、標的サイトに結合した状態のCascadeにはしっかりと結合し、下のGIF動画 (原論文共著者L LoeffのTweetから引用)にあるように、ヘリカーゼドメインで1-ntずつdsDNAを巻き戻しながら、3-bp単位で一本鎖のターゲット・ストランドを巻き取り、ターゲット・ストランドにループを形成しながら(下のGIF動画ではループは画面からはみ出している)、ヌクレアーゼ・ドメインによりDNA切断に至る。
  • この過程は、外来DNAだけを切断するための安全装置と考えられる。
  • [参考] タイプ I CRISPR/Casシステム関連crisp_bio記事:CRISPRメモ_2018/04/18 -1.大腸菌のタイプI-E CRISPR-Casシステムが標的DNAを切断するに至る過程を初めてin vivoで解析