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2017年01月11日
[PDIS]ニュースウオッチ記事更新終了のお知らせ

 [注] 2017/01/12 Twitterアカウントへのリンク先追加しました。
  第3回アンケートへのご回答を1月31日までにと再度お願い申し上げていたところ恐縮ですが、諸般の事情により、本日にて、ニュースウオッチ記事更新を終了する運びとなりました。
  • 本サイトの公開は当面継続されます。本日、キーワードによる記事高速検索が実装されましたので、その間、ご利用いただければ幸いです。
    • 例えば、1月10日の記事に掲載いたしましたPDIS論文閲覧回数トップの"ペンブロリズマブとPD-1の複合体の高分解能構造"の記事は、右上の検索窓に”ペンブロリズマブ”とタイプし検索ボタンをクリックすることで瞬時に表示される候補記事からご選択・ご確認いただけます。
    • "PDIS"にて検索しますと、472本の関連記事の一覧を数秒で閲覧可能になります。
    • "CRISPR"にて検索しますと、540本の関連記事の一覧を数秒で閲覧可能になります。
    • なお、PDB IDは検索対象になりますが、論文のDOIは検索対象外です。
  • 「タンパク3000」プロジェクトとその継承プロジェクト「ターゲットタンパク研究プログラム」の場合、それぞれのプロジェクトが終了後に多彩な成果が発表され、終了後5年を過ぎてから発表された論文やPDB登録構造も少なくありません。PDISの場合も、今後、多くの成果が発表されていくことが期待されます。PDISその他の成果をTwitter(アカウント CRISP_SCIENCE)ではフォローさせていただく予定でおります。
これまでのご支援に深く感謝申し上げます(HS)。

2016年08月10日
CRISPRニュース:CRISPR/Cas9を超えるもの
Nature オンライン版(2016年8月6日)ニュース欄にて“Beyond CRISPR”と題する記事と、CRISPR越え候補とされたNgAgoの再現性をめぐる疑義を取り上げた記事が掲載された。
  1. “Beyond CRISPR”
    • SpCas9はベクターで送達するには大きすぎる件:小型のStaphylococcus aureus由来SaCas9で乗り越える。
    • SpCas9特有のPAM縛りの件:SpCas9とは異なるPAMを認識しかつ小型なCpf1で乗り越える。また、C2c2によってRNAも標的可能に。
    • 相同組換え修復(HDR)による遺伝子置換の低効率とランダムなindel混入の件:dCas9と活性化誘導シチジンデアミナーゼによる精緻な1塩基置換技術Target-AIDの展開で乗り越える。
    • 新たな酵素の可能性を探る:George ChurchとFeng Zhangの研究チームはいずれもインテグラーゼリコンビナーゼrecomninases)によるゲノム編集の可能性を探っている。
  2. アルゴノート(NgAgo)ってどうよ?(3)
    • 河北科技大学のHan Chunyu(韩春雨)らが2016年5月2日にNature Biotechnology オンライン版で発表した高度好塩菌由来アルゴノート(NgAgo)はCRISPR/Casを超えるものとして注目を集めたが、科学者告発で知られるFang Shimin (方是民)がWebサイト“新語録(New Threads)”に掲載した“河北科技大学韩春雨“诺贝尔奖级”实验的重复性问题”以来、国際的にもその再現性に対する疑義が表面化してきた。
      • Gaetan Burgio (Australian National University)、再現に失敗した実験の詳細をブログに掲載し、一気に閲覧回数5,000回を越した
      • Lluís Montoliu(Spanish National Centre for Biotechnology)がInternational Society for Transgenic Technologieの同僚に送った「NgAgoに関わるな」という趣旨のメールが“新語録”でリークされた(“国际转基因技术协会原主席Montoliu博士建议不要再试图重复韩春雨实验结果”)。
      • Pooran Dewari (MRC Centre for Regenerative Medicine)のオンライン・アンケートでは、9名が再現、97名が再現できなったという回答。
      • Debojyoti Chakraborty (CSIR­Institute of Genomics and Integrative Biology in New Delhi)は、再現の報告を後に撤回
      • John Van der Oost (Wageningen University): NgAgoが失望に終わっても、他の生物種のアルゴノートに可能性が残されている。
      • Han Chunyuは、8月8日に詳細なプロトコルをAddgeneに提供
      • Nature Biotechnology は、Nature ニュース・チームに対し「再現できなかったとする報告が寄せられており、調査を開始する予定」とコメント。
“アルゴノート(NgAgo)ってどうよ?(3)”NEWS→David Cyranoski. “Replications, ridicule and a recluse: the controversy overNgAgo gene­ editing intensifies.” Nature. 2016 August 11;536:136-137. Published online 2016 August 8. 

2016年05月10日
CRISPR関連文献メモ_2016/05/10(1件)

[crisp_bio 注] 本論文には出版直後から批判が続き、Nature Biotechnologyからリトラクトされるに至った:2017-08-04投稿「アルゴノート(NgAgo)ってどうよ?(6)終幕」を参照

[論文] DNAをガイドとする高度好塩菌由来アルゴノートによるゲノム編集:Chunyu Han (河北科技大学)
  • Cas9はsgRNAにガイドされて標的のDNAを切断する。アルゴノート(Argonaute, Ago)は5’末端がリン酸化された一本鎖のRNAまたはDNA(ssDNA)にガイドされてRNAまたはDNAを切断する(挿入図1右のRNAi経路参照)。Hanらは今回、高度好塩菌Natronobacterium gregoryi 由来のAgoが、CRISPR/Cas9システムよりも優れたゲノム編集ツールになり得ることを示した。
  • Thermus thermophilus とPyrococcus furiosus のAgoは5’末端がリン酸化されたssDNAをガイドとしてその相補的なDNAを65°Cを超える高温で切断することが知られていた。今回、高度好塩菌のNatronobacterium gregoryi SP2のAgo(NgAgo)が37°CでヒトのdsDNAを切断することを見出した。
    [情報拠点注] 挿入図2はT. thermophilus と5’末端リン酸化ssDNAとの複合体構造37290001 37290002

    • ヒト293T細胞において、NgAgoは5’末端をリン酸化したssDNAにのみ結合し、それをガイドDNA(gDNA)として, gDNAと相補的な標的dsDNAを切断した(すなわち、ssRNAあるいは5’末端がリン酸化されていないssDNAとは結合しなかった)。
    • NgAgoは内在核酸と結合せず内在核酸によるオフターゲット・サイトへの誘導が生じなかった(5’末端がリン酸化されている内在性ssDNAは極めて少ないことを示唆してもいる)。
    • NgAgoをコードするプラスミドとgDNAを同時に細胞に導入した場合に限り37°CでDNA切断活性を示した。すなわち、NgAgoは発現している間にgDNAに結合する。また、いったん結合したgDNAを他の5’末端リン酸化ssDNAと置換することがなかった(‘one-guide faithful’)。
    • NgAgoはdsDNAを単に切断するだけでなく数塩基を削除した。
    • HeLa細胞のCMVプロモーターを標的とする比較実験で、NgAgo-gDNAは、Cas9-sgRNAと同等のゲノム編集効率を示した。この際にgDNAの最適長が24ntであることも明らかになった。NgAgo-gDNAのdsDNA切断活性は、HeLa細胞や乳がん細胞株MCF-7と白血病細胞株K562においても確認。
    • DYRK1A 遺伝子のエクソン11を標的とする比較実験でもNgAgo-gDNAとCas9-sgRNAの切断効率は同等であったが、GCリッチなHBA2 とGATA4 の場合は、NgAgo-gDNAの切断効率が上回った。
    • gDNAと標的のミスマッチに対する許容度については、連続した3塩基のミスマッチの場合は0%であったが、1塩基のミスマッチの場合は、20%前後であった(CRISPR/Cas9の場合は5塩基のミスマッチまで許容するとする報告がなされている)。
    • 293T細胞のDYRK1A 遺伝子を標的とするDNA断片導入を11.7%の効率で実現、オフターゲットの挿入は非検出。
    • NgAgoのサイズは887アミノ酸とCas9の1,368アミノ酸の3分2程度であり、標的サイトの認識にPAMを必要としない。また、gRNA(ssDNA)は、設計、合成、ならびに用量の調節が容易
 

2016年10月19日
[PDIS]アラート:ペンブロリズマブとPD-1の複合体の高分解能構造
  • Corresponding authors: 野村紀通(京都大学);岩田 想(京都大学/SPring-8
  • ペンブロリズマブ(KEYTRUDA®)は、免疫チェックポイントタンパク質PD-1を標的とするヒト化抗体であり、FDAは2015年に進行悪性メラノーマ治療薬として、続いて、非小細胞肺癌として、迅速承認し、引き続き注目を集めている。
  • 2016年6月に、PD-1の細胞外ドメイン(以下, PD-1ECD)とペンブロリズマブのFabフラグメント(以下、PemFab)の複合体構造(PDB ID 5JXE)が解かれた。しかし、分解能が2.9 Åと低いため、親和性と特異性に決定的な影響を与える治療用抗体と標的との間の水分子に関する情報が得られなかった。
  • 研究チームは今回、ペンブロリズマブのFvフラグメント(以下、PemFv)とPD-1ECD の複合体構造を分解能2.15 Åで解き、水分子を介した水素結合を含むPemFvとPD-1ECD の相互作用の精密なマッピングを実現した(参考図 Figure 1 参照)。
  • 精密な構造情報に基づいて、Rosetta PeptideriveプログラムによってPemFvのAla97からTyr109までの13残基のセグメントが複合体結合エネルギーに最も寄与することを見出し、この“hot segment”から環状ペプチドを設計し、PD-1ECDとの複合体モデルを構築した(参考図 Figfure 4 参照)。PRODIGYプログムで計算した解離定数は5.6 × 10-7 Mであった。この環状ペプチドは、より小型のPD-1/PD-L1パスウエイ阻害剤開発の出発点となる。
  • この高分解能の複合体構造によって、ペンブロリズマブによるPD-1の拮抗作用の分子機構が明らかになり、また、 今後のより高性能な抗PD-1療法の合理的な設計への道が拓かれた。
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2017年01月10日
[PDIS] ご報告:本ニュースウオッチ欄をめぐる数字
第3回アンケート結果を始めとする「数字」を以下にご報告申し上げます:
  • 第3回アンケート結果(1月9日取りまとめ)
    • PDIS研究実施者です:30名
    • PDIS研究実施者ではありませんが、PDISの研究支援を受けたことがあります:24名
    • PDIS研究実施者ではなく、PDIS研究支援を受けたこともありません:271名
  • 全期間(2014年6月〜2016年12月)アクセス動向
    • ニュースウオッチ欄の一意な訪問者数とその訪問件数の月変動(参考図のグラフをご参照下さい)
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  • 掲載記事本数
    • 総数 2,132本
    • 年ごとの内訳:2014年 (6〜12月) 308本; 2015年 861本; 2016年 963本
  • souyaku_icon_32[PDIS]PDIS関連記事 掲載動向
    • 記事本数(論文紹介にお知らせなども含む総数) 463本
    • 紹介論文本数 537本 
      (2016年1月19日までは、1記事に複数PDIS論文をまとめた形式であっため、記事件数より大きな数字になっております)
  • souyaku_icon_32[PDIS]論文紹介記事閲覧回数TOP10
    • 本ニュースウオッチ欄の認知度と各記事閲覧件数が相関しているため、2014年と2015年よりは本サイトの認知度が高まったと思われる2016年掲載分がTOP10を占める結果となっております。
    • TOP10の多くがPDISを含む複数のプロジェクトからの総合的な成果となっています。また、掲載記事の中では高度化の成果と研究支援・共同研究の成果を仕分けしておりません。
    1. 2016/10/19 ペンブロリズマブとPD-1の複合体の高分解能構造
    2. 2016/03/23 Cas9への変異導入によってPAMの拡張が可能になる構造基盤
    3. 2016/06/21 出雲の神(IZUMO1)と女神ユーノー(JUNO)が出会う時
    4. 2016/02/15 Francisella novicida Cas9の構造決定とPAMの拡張
    5. 2016/07/28 タンパク質結晶調製に関するプロトコル
    6. 2016/08/03 無細胞タンパク質合成法を進化させてヒトとマウスの高品質な膜タンパク質生産を実現
    7. 2016/04/14 膜タンパク質を熱安定化させる変異の同定:統計熱力学に基づいた迅速同定
    8. 2016/07/07 多剤・毒性化合物排出輸送体(MATE)の脂質キュービック法による結晶化とX線結晶構造解析
    9. 2016/09/12 Fv抗体フラグメントを利用した結晶構造解析を加速するiRAT法
    10. 2016/06/28 高圧処理によってリガンド結合能を維持したままGPCRを可溶化
 

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