crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

- 試験管内(in vitro)の実験系では捉えられなかったT細胞免疫療法を左右する因子を、担癌マウスを用いたin vivo(生体内)スクリーニングで捉えました。2026-08-14 更新:査読論文として8月12日付で Nature 誌に掲載されたことを受けて、本ブログ記事に副題を付け、「出 …
続きを読む

植物のエピゲノム編集に関する報告は2019年頃から増加傾向にあり、2025年以降その勢いはさらに加速しています [crisp_bio 2026-08-13]。今回、南方科技大学(SUSTech)のJian-Kang Zhu教授が率いる中国の研究グループは、dCas9をプラットフォームとし、多様なエフェクターお …
続きを読む

crisp_bioで植物のエピゲノム編集を初めて取り上げたのは、2017年8月のことでした。今回、それ以来の関連crisp_bio記事を年代の新しい順にリストしてみました。なお、単純な検索ですが「epigenome editing」& 「plant」で検索したところヒット数は92件で、右図のような登録件 …
続きを読む

プライム編集(Prime Editing: PE)は、二本鎖切断(DSB)やドナーDNAを必要とせず、標的ゲノムへの点変異導入、挿入、欠失を高精度に行える画期的な技術です。しかし、実際の編集効率は周辺の配列コンテキストやペグRNA(pegRNA)の設計に強く依存するため、これまでは膨大 …
続きを読む

2012年にCas9を用いたCRISPR技術が登場して以来、ゲノム編集に関する研究、論文発表、そして基礎研究から実用化への波及効果(トランスレーショナル・インパクト)は目覚ましい発展を遂げてきました。こうした世界中の研究を物理的に支えてきたのが、重要な生物学的リソース …
続きを読む

2026年に入り、CRISPRを用いたハンチントン病(HD)の遺伝子治療研究が新たな局面を迎えています。不活性化Cas9(dCas9)をベースとするエピゲノム編集(Epigenome Editing)を駆使し、病因であるハンチンチン(HTT)遺伝子のトリヌクレオチド反復配列(CAGリピート)をサイ …
続きを読む

細菌内のATP枯渇という隠れたボトルネックを、プロバイオティクスEVでの共デリバリーで解決2026-08-11 ブログ記事タイトルを改訂し、本文を構造化しました(旧タイトルは「ATP積載ハイブリッドEVがCRISPR切断を増強し病原菌を狙い撃ち」)2026-08-07 初稿細菌を標的とするCRI …
続きを読む

従来比50倍、40細胞分裂深くまで再構成が可能dCas12a-ABEを活用し、細胞系譜追跡法の容量限界と細胞毒性の課題を克服。天文学的な理論容量から実測4,300ビット以上の大容量記録を達成。細胞系譜を追跡し再構成する技術によって、受精卵からの発生過程や、がん細胞の発生・増 …
続きを読む

サーフェソームとは ...細胞表面タンパク質群総体を意味するsurfaceomeの訳で、サーフェスオームと表記される場合もあります。細胞表面タンパク質は、免疫および標的療法の豊富な供給源として注目されています。2021年には、ゲノム、機能、および薬剤応答に関するデータを統 …
続きを読む

- 生命科学のデジタル化を牽引するArc Instituteがゲノム言語モデル「EVO」を介して、薬剤耐性菌に対するファージ療法への可能性を秘めたウイルスをデノボ (ゼロから) 生成することに成功2026-08-08 初稿;2026-08-10 記事のタイトルと副題を改訂しました [旧タイトルは『ウ …
続きを読む

2026-08-10 ブログ記事タイトルと見出し、ならびにcrisp_bioメモのテキストを改訂しました。(旧タイトルは「犬アレルギーの方々に朗報 - ゲノム編集で主要アレルゲンをノックアウトしたビーグル犬が誕生し元気に成長中」でした)2026-08-07 初稿開発の背景:コロンビア大学 …
続きを読む

米国バージニア州にあるThoreau Middle Schoolで学んでいる14歳のMillie Pradawongさんです。Pradawongさんは、応募動機から始まり課題と解決策を説明する2分のビデオを評価されて、2026年のDiscovery Education 3M Young Scientist Challengeのファイナリスト10名の一人に …
続きを読む

2026年8月5日にモデルナ社が「同社のmRNAインフルエンザワクチンmFULSIVA®(mRNA-1010)が、米国FDAに承認され、数週間以内に供給が開始される」と発表しました。mFULSIVA®は、一般的なインフルエンザウイルス株(A/H1N1, A/H3N2, B/Vivtoria)を標的として、2021年から臨 …
続きを読む

2026-08-08 タイトルを「コイルドコイル・ヘテロ二量体で繋ぐことで, スプリット型BE/PEをバージョンアップ」に改訂しました(旧タイトルは「サイズ制限を越える"マリアージュ":コイルドコイル・ヘテロ二量体とスプリット型BE/PEが切り拓く精密ゲノム編集」でした)2026-08- …
続きを読む

2026-08-08 Cell Stem Cell 冊子体で出版されました:Volume 33, Issue 8. P1398-1413.E10August 06, 20262026-07-02 初稿 ハーバード大学幹細胞・再生生物学部門(HSCRB)のFernando D. Camargo教授(ボストンこども病院兼任)とFei Chen准教授(ブロード研究所兼任)が共 …
続きを読む

免疫系の加齢変化(免疫老化)は、T細胞を介した腫瘍制御能やがん免疫療法の治療成績を著しく低下させます。しかし、高齢者の腫瘍微小環境(TME)において、T細胞機能不全を引き起こす主要な遺伝的要因は依然として十分に解明されていませんでした。マサチューセッツ総合病院 …
続きを読む

[注] HDR(Homology-Directed Repair / 相同組み換え修復)哺乳類細胞において、DNA二本鎖切断(DSB)は、同一のDNA末端に対して作用する「相同組換え(HR)」と「非相同末端結合(NHEJ)」という競合する2つの経路によって修復されます。これまでに、NHEJを抑制すると、HRを …
続きを読む

2026年8月5日のブログ投稿でハンガリーの研究者達の作物育種のレビュー記事を紹介する中で、「TALEDs, 塩基エディターやプライムエディターなどのNGT(新ゲノム育種技術)に好意的な法規制の枠組みが採用されれば、多くの国において、こうした改変品種の商業化が促進される期 …
続きを読む

 カリフォルニア大学バークレー校のDavid Savage教授とJennifer Listgarten教授が率いる研究チームは今回、ProteinGuideを開発し、例えば、既製のタンパク質構造・配列生成モデルに比較的小規模な単一の実験データから得られた予測モデルを制約条件として加えるだけで、多段 …
続きを読む

干ばつ [*]、土壌塩類化、極端な温度といった過酷な環境条件は、農業生産を著しく制限します。従来の育種法でも耐性品種の作出は可能ですが、多遺伝子に支配される形質であることや、改良品種の作出に長期間を要することから、その適用には限界があります。[*] Fig. 1引用下 …
続きを読む

crisp_bioでは、本日(2026年8月5日)午前6時ごろ、指向進化法をさらに発展させる可能性を秘めたACG三塩基同時変換法「smACGmax」の記事を予約配信しました。その中で、『指向進化法といえば、PACE(Phage-Assisted Continuous Evolution)を思い浮かべます』と書いていまし …
続きを読む

多重塩基編集と指向性進化法との関係性指向性進化法の登場によって、私たちは、自然の進化を超えて、タンパク質を高速に進化させて、好ましい特性を備えたタンパク質を手にすることができるようになりました。2018年のノーベル化学賞はタンパク質の指向性進化法を確立した三 …
続きを読む

2026-08-04 本研究で使われた技術については、同論文の筆頭著者による解説が, 2026年7月31日にNature Reviews Genetics 誌から出版されました [その紹介ブログ投稿はこちら]2026-07-16 初稿[注] このブログ記事は主として出典の中の Nature 誌Research Briefings記事に準拠 …
続きを読む

CRISPR-KOALA(CRISPR KnockOut and Activation Linked Assay)は、2026年7月8日にNature 誌からオンライン出版された論文で世に出ました。その論文の筆頭著者であるKhalid Al-Zahraniトロント大学助教授が、Nature Reviews Genetics 誌からCRISPR-KOALAのコンパクトな技術解 …
続きを読む

作物生産は、植物病原体による脅威にさらされています。従来の病害抵抗性育種は、特定の病原体に適応した免疫受容体をコードする植物の自然な抵抗性遺伝子に大きく依存してきました。しかし、急速に進化する病原体はしばしばこうした自然の防御機構を突破してしまいます。ま …
続きを読む

 理研の研究チームは、シロイヌナズナをモデルとして、15種類の遺伝子とコントロール用内在遺伝子3種類を検出可能とする2種類のPCR法、fDET法とDET法を開発し、Plant & Cell Physiology 誌から発表しました。対象遺伝子は、薬剤耐性遺伝子, レポーター遺伝子, プロモータ …
続きを読む

前立腺癌や膵臓癌は、免疫細胞が侵入しにくく免疫療法が効きにくい「冷たい腫瘍(cold tumor」[*1] の典型例です。これらの癌細胞は、自身の旗印であるMHC-I(主要組織適合遺伝子複合体クラスI)の発現を抑制して、免疫システムから見えなくなることで、例えば、免疫チェクポ …
続きを読む

 がんによる死亡の主因である転移性がんは、特定の転写因子(TF)への依存度が高いことがしばしば見られます。これらの転写因子は発がんシグナル伝達のマスターレギュレーターとして機能しますが、明確な薬物結合ポケットを持たない立体構造をとっていることから一般的な分 …
続きを読む

先日、ハンチントン病の遺伝子治療に関する一つの最新論文が目を引きました。イノベーションが続くCRISPR塩基編集を用いた、生体内(in vivo)での治療アプローチです。読み進めるうちに、「そういえば以前も、塩基エディターでこの病気に挑んだ大御所の論文を紹介したはずだ …
続きを読む

先進的「AI × バイオ」融合型進化法 MULTI-evolve、前回の全体概要 に続き、今回はその実証実験の一つである「dCasRxのトランス・スプライシング活性向上」について詳しく深掘りしていきます。触媒活性を欠失させたCasRxであるdCasRxによるスプライシング制御は、治療応用へ …
続きを読む

2026-07-31 概念実証実験の一つである「dCasRxをベースとするトランススプライシング活性」の解説記事を用意しました:【ゲノム編集の新潮流】多重変異導入によるCRISPR-CasRxの活性向上 - MULTI-evolveの実証実験の一例から2026-07-30 10:52 am 更新:実証実験の対象の選択 …
続きを読む

2026-07-30 「IV 現代」の項の2月に「Lab-in-the-loop」を体現したArc研究所のMULTI-evolveを追加しました。2026-07-29 11:00更新 - 午前6時過ぎに公開したバージョン(「ゲノム編集における『AI x バイオ』融合の進化タイムライン (2023 - 2026/07)」)をGoogle AI検索で「 …
続きを読む

 ソウル大学校の研究チームが、生命科学と化学における大規模言語モデル(LLM)を体系的に整理した総説が、Experimental & Molecular Medicine 誌から刊行されました。 人工知能(AI)は、生物学的システムの複雑さに適したスケーラブルな計算フレームワークを提供すること …
続きを読む

 東京大学の西増弘志教授とコロンビア大学のSamuel H. Sternberg准教授が共同責任著者となっているCell 誌刊行論文の日本語解説版(プレス発表)が、東京大学先端科学技術研究センターのWebサイトから公開されました。プレスリリース:非常識にもほどがある2 ―DRT3bによる …
続きを読む

2026-07-29 11:00 更新:7月29日午前6時過ぎに公開したバージョンをGoogle AI検索を利用して書き振りを「ブラッシュアップ」してみました。使用前を保存したまま、その前に使用後を並置してみました。タイムラインの記事の方は「ブラッシュアップ」したバージョンに差し替え …
続きを読む