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出典
'shieldin'先行論文
概要
  • DNA二重鎖切断(DSB)は、細胞周期やDSB末端の様相に応じて、多様なDSB修復因子の協働により、相同組み換え修復(homologous recombinational repair, HR)または非相同末端結合(non-homologous end-joining, NHEJ)によって修復される。
  • D. Durocher (トロント大)らカナダ、オランダ、英国、スイス、米国の国際研究チームは今回、CRISPR/Cas9スクリーニング*によって、NHEJによる修復選択に寄与するタンパク質複合体shieldinを同定した。
  • Shieldin は、DSBで生じる一本鎖DNA (ssDNA)に結合することでssDNAをリセクション・ヌクレアーゼから保護し、DNA修復因子53BP1(別名TP53BP1)を介してNHEJによる修復に寄与する。研究チームはまた、shieldinの変異が腫瘍細胞にPARP阻害剤に対する耐性をもたらすと見られることから、BRCA1変異を伴う癌治療にあたり、shildin変異を判定する必要があることを示唆した。
補足
  • 53BP1はクロマチン結合タンパク質であり、DSBで生じるDNA末端のリセクションを抑制することでNHEJによるDNA修復を促進することが知られていた。また、この反応には、53BP1がPTIPおよびEV7(MAD2L2)をDSBサイトへとリクルートするRIF1と相互作用することで進行することも明らかにされていた。
  • しかし、この53BP1パスウエイに関与するタンパク質がDNA末端を保護する(shield)分子機序については2つのモデルが提唱されており、確定していなかった:(1)53BP1複合体がリセクション・ヌクレアーゼに対するヌクレオソーム障壁を強化する;(2)53BP1がDNA末端を保護するエフェクターをリクルートする。
  • 研究チームが今回エフェクターとして同定したタンパク質複合体shieldinは、サブユニットとしてC20orf196(SHLD1)、FAM35A(SHLD2)、CTC-534A2.2(SHLD3)およびREV7を含んでいる。
  • Shieldinは、53BP1およびRIF1に依存する形でDSBサイトに局在し、サブユニットSHLD2がそのOB-foldドメインを介してssDNAに結合する。
  • Sheildinが欠損するとNHEJ修復が選択されなくなり、免疫グロブリンスイッチの不全およびリセクションの異常亢進に至る。
  • Sheildinのサブユニットをコードする遺伝子の変異も、NHEJに代わるHRによるDNA修復を誘導し、BRCA1欠損細胞にPARP阻害剤耐性をもたらすに至る。
*) CRISPR-Cas9スクリーニング
  • その変異によって、BRCA1欠損細胞においてHRを回復しPARP阻害剤に対する耐性をもたらす遺伝子を、BRCA1のヘミ接合フレームシフト変異を帯びたトリプルネガティブ乳癌由来SUM149PT細胞において、PARP阻害剤のオラパリブとタラゾパリブ (Talazoparib)にてスクリーニング。また、RPE1-hTERT TP53/ BRCA1/ヒト細胞(BRCA1ノックアウト細胞)においてオラパリブにてスクリーニング。
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