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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Tracing the transitions from pluripotency to germ cell fate with CRISPR screening" Hackett JA, Huang Y, Günesdogan U, Gretarsson KA, Kobayashi T, Surani MA. Nat Commun. 2018 Oct 10.
  • 2014年のクリスマス・イヴの日にCell誌オンライン で、ヒトの多能性幹細胞からPGCのin vitroモデルとなる始原生殖細胞(primordial germ cell)様細胞 (PGC-like cells, PGCLCs)を誘導し、ヒト疾患モデル動物であるマウスとヒトの発生初期の機構が異なることを報告*したケンブリッジ大学M. A. Suraniが率いる研究チームの成果 (*参考記事: SKIPアーカイブ)
  • 哺乳類発生初期、ナイーブ型多能性幹細胞から着床後エプブラストを経てPGCに至る。Suraniチームは今回、マウスのPGCLCモデルにおいて、レポーター'Stella-GFP and Esg1-tdTomato (SGET) 'を開発することで細胞同一性 (identity)を追跡し、ゲノムワイドCRISPRドロップアウト (dropout)スクリーニングを併用することで、PGC運命を決定する分子機構の解明を進めた。なお、SGETレポーターは、ナイーブ型多能性細胞は黄色、着床後エピブラストは赤 (Esg1+)、新生PGCsは緑 (Stella+)になることから、論文中で'trafic lihgt'と称されている。
  • SGETとCRISPRスクリーニングに関連する原論文Fig. 1とSupplementary Figure 1をそれぞれ下図に引用)。
SGET1 SGET2
  • 上図右のCRISPRスクリーニングのフロー図において、ナイーブ型ES細胞、エピプラスト様細胞 (EpiLC)および新生PGCの各ステージを遷移していく各段階でドロップアウトしたgRNAsから各ステージの必須遺伝子を絞り込みRNA-seqによる検証も行い、転写制御因子Zfp296Nr5a2が、それぞれ、ナイーブ型ES細胞からEpiLCへの遷移と、新生PGCヘの遷移の鍵を握るとした。
  • CRISPR/Cas9によりNr5a2−/− ES細胞とZfp296−/− ES細胞を作出し、いずれのES細胞についてもPGCLC誘導が顕著に抑制されることを見出した。
  • さらに、PGCLCにおいて、WNTパスウエイ因子の活性化(Nr5a2−/−の場合) または阻害 (Zfp296−/−  の場合) が起こり、体細胞プログラムの異常亢進または生殖細胞遺伝子活性化不全が誘導され、結果的に、生殖細胞同一性が失われるとした。
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