1. [プロトコル] CIRCLE-seqによりCRISPR-Cas9のヌクレアーゼの活性をゲノムワイドで決定する
[出典] "Defining CRISPR-Cas9 genome-wide nuclease activities with CIRCLE-seq" Lazzarotto CR, Nguyen NT, Tang X, [..] Joung JK, Tsai SQ. Nat Protocol. 2018 Oct 19.
- CIRCLE-seqはthe circularization for in vitro reporting of cleavage effects by sequencingを意味し、オンターゲットかオフターゲットかを問わずにヌクレアーゼで切断されたゲノムDNA (以下、gRNA)を環状化・切断・増幅・ハイスループット・ペアエンドシーケンスすることで、ゲノムワイドでヌクレアーゼの活性をゲノムワイドで測定可能し、 (Nature Methods, 2017*の Figure 1参照)全行程を2週間で完了可能、その詳細なプロトコル。
- (*) CIRCLE-seq初出論文:"CIRCLE-seq: a highly sensitive in vitro screen for genome-wide CRISPR–Cas9 nuclease off-targets" Tsai SQ, Nguyen NT, Malagon-Lopez J, Topkar VV, Aryee MJ, Joung JK. Nat Methods. 2017 Jun;14(6):607-614. Online 2017-05-01.
- 関連crisp_bio記事:2018-09-13 CIRCLE-seqから出発して)CRISPR-Casがin vivoで誘導するオフターゲット編集を高感度で同定可能とする手法VIVOを開発
2. 本来的に正確なNHEJを活かすことで、CRISPR/Cas9ゲノム編集を介したNHEJにより正確で効率的な削除を実現
[出典] "Harnessing accurate non-homologous end joining for efficient precise deletion in CRISPR/Cas9-mediated genome editing" Guo T, Feng YL [..] Cai XJ, Xie AY. Genome Biol. 2018 Oct 19;19(1):170.
3. ZFNまたはCRISPR/Cas9による一点交叉を介してヒト細胞における標的部位へのノックインを実現
[出典] "Targeted integration in human cells through single crossover mediated by ZFN or CRISPR/Cas9" Liu X, Wang M, Qin Y, Shi X, Cong P, Chen Y, He Z. BMC Biotechnol. 2018 Oct 19;18(1):66.
- ZFNまたはCRISPR/Cas9により誘導したDSBのドナーDNAを介したHDR修復によるノックインは、通常、ノックイン配列の左右に標的領域と相同なアームを接続したドナーによる二点交叉 (double crossover)の過程をたどる。しかし、この過程の発生頻度は極めて低い。
- 中国中山大学の研究チームは今回、HITI法(*)と同じように、ノックイン標的DNAと、ドナーとしてノックインしたいDNAに標的DNAに相同な配列を連結し、標的DNAとドナーDNAの双方にCas9で二本鎖DNA切断を誘導し、NHEJ修復過程を介した両者の間の一点交叉により、正しい向きで精度の高い効率的ノックインが可能なことを示した。(*) 2017-05-06 非相同末端結合(NHEJ)によって、in vivo で非分裂細胞に外来遺伝子をノックイン
- HITI法では、標的と相同な配列~20-bpを使用したが、中山大学の研究チームは、かなり長い配列 (CCR5遺伝子座を標的とした場合で1.6- kb) を使用しその中央にCas9 (または) ZFNの切断位置を設定することで、結果的に、逆向きのノックインが抑制され、目的とする向きのノックインを実現した。
- HeLa細胞とHEK293T細胞のCCR5遺伝子座に対して、6.4-kbのプラスミドのノックイン効率10%を達成した。
- HITI法のモデル図と今回の手法の模式図をそれぞれ以下の左図と右図に示した (今回論文ではHITI法論文は引用されていない)。
- ZFNでもCRISPR/Cas9でも同じ戦略であるが、ZFNの場合はCRISPR/Cas9と異なり、一回のノックインで結合サイトが破壊されることが少ないため、ノックインカセットを多重に帯びたプラスミドを利用することで多重ノックインが可能であった。
4. CRISPR-Bac:哺乳類細胞におけるゲノム編集誘導をpiggyBacツールキットで実現
[出典] "A piggyBac-based toolkit for inducible genome editing in mammalian cells" Schertzer MD [..] Calabrese JM. bioRxiv. 2018 Oct 20.
- University of North Carolinaの研究チームの投稿
- 3種類のベクターをコトランスフェクション:ドキシサイクリン誘導Cas9またはdCas9とハイグロマイシンBを含む単一piggyBacカーゴ・ベクター;piggyBacトランスポザーゼ 、ならびに、sgRNA、リバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子 (rtTA);およびG418耐性遺伝子を発現するカーゴ・ベクター
- ハイグロマイシンBとG418でセレクションし、Cas9, rtTAおよびsgRNAを安定に発現するポリクローナルな細胞集団を生成する。
- マウスES細胞とトロホブラスト幹細胞において、活性を誘導可能なCas9、dCas9-VP160またはdCas9-KRABと、安定発現するsgRNAを介して、標的タンパク質のノックダウン、標的ゲノム領域欠損、タンパク質コーディング遺伝子およびインプリントlncRNAの転写発現の活性化または抑制を実現した。
- CRISPR-Cas9システムのレンチウイルス・デリバリー・システムへのパッケージを回避するCRISPR-Bacは、誘導可能なゲノム編集のプラットフォームとしての利便性と多用性を備えている。
5. [第6章] CRISPR/Cas9の細胞への送達法
[出典] "Different Methods of Delivering CRISPR/Cas9 Into Cells" Chandrasekaran AP, Song M, Kim KS, Ramakrishna S. Prog Mol Biol Transl Sci. 2018;159:157-176. Online 2018-06-12.
- 漢陽大学校医科大学など韓国の研究チームが、CRISPRシステムのプラスミドおよびRNPの種々の送達法を論じ、CRISPR/Cas9-RNPの送達が、挿入変異、細胞内の標的への送達、免疫原性およびオフターゲットの問題を伴うin vivoにも最も有望とした。



コメント