[出典]"rec-YnH enables simultaneous many-by-many detection of direct protein–protein and protein–RNA interactions" Yang JS, Garriga-Canut M, Link N, Carolis C, Broadbent K, Beltran-Sastre V, Serrano L, Maurer SP. Nat Commun. 2018 Sep 14.

背景
  • タンパク質とRNAとの直接相互作用のデータは、細胞メカニズムの理解に必須であるが、そのデータ取得には多大な経費を要し、また、往々にして、得られるデータの信頼性が低い。
  • Centre for Genomic Regulation (バルセロナ)の研究チームは今回、こうした課題を解決する技術rec-YnH (recombination-YnH)を、進化してきたY2HY3H技術を元に構築した。
技術
  • rec-YnHは、プレイに相当するタンパク質ライブラリー を、ベイトに相当するタンパク質ライブラリーまたはRNAフラグメントプールに当てること、ひいては、タンパク質間相互作用 (PPI)とタンパク質・RNA間相互作用の多重測定を可能とする。
  • rec-YnHのワークフローは、ORFまたはRNAをコードする配列をバッチでスクリーニングベクターへ導入しバッチで形質転換、酵母の相同組み換え修復によるベイトとプレイの融合、などから次世代シーケンシングを経た相互作用同定まで、標準的な生化学研究室にてストレスなく展開できるように設計した (原論文Fig. 1から引用した下図参照;上段がY2Hに、下段がY3Hに準拠したワークフロー)。re-YnH
    これまでの手法と異なり、rec-YnHは、細胞のプレーティングやバーコーディングの作業を必要としない。
実証
  • 特定のパスウエイに属する数百のタンパク質のPPIの同定、タンパク質ドメイン間の相互作用マッピング、共沈する複合体の予測、および、多数のRNA結合タンパク質の一斉同定を実現 (下図の左右はそれぞれ、原論文 Fig. 4とFig. 6から引用したタンパク質ドメイン間相互作用解析とRNA結合タンパク質同定の例)
re-YnH 4 re-YnH 6