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[出典] "De novo design of self-assembling helical protein filaments" Shen H, Fallas JA, Lynch E [..] Baker D. Science. 2018-11-09.
  (以下は論文成果を表す図ではありません。ィラメントタンパク質の一種コラーゲンの図です)
collagen
  • 生体内には、安定で代謝回転に数週間を要するコラーゲンから生理条件に応じて成長分解を繰り返す細胞骨格関連タンパク質フィラメントまで、多様なタンパク質フィラメントが存在する。
  • David Bakerの研究グループはこれまでRosettaソフトウエアを開発・駆使して、対称性を帯びた球状タンパク質de novo設計*に加えて、立体構造規制(constraint)機能性人工ペプチドのde novo設計**も実現してきたが、今回、単量体タンパク質から自己集合しかつ分解も可能なヘリックスタンパク質フィラメント (de novo–designed helical filaments, DHFs) を多数設計・作出し、そのうち6種類をクライオ電顕らせん対称体再構成法で解析し、ほぼ設計通りの構造 (RMSD: 0.9 ~ 4 Å)であることを確認した。
  • EMDB/PDB登録ID (2018/11/11時点で公開待ち):DHF119 EMD-9021, PDB 6E9Z ;DHF38 EMD-9020PDB 6E9Y ;DHF58 EMD-9017, PDB 6E9T ;DHF46 EMD-9016, PDB 6E9R ;DHF79 EMD-9018, PDB 6E9V ;DHF91 EMD-9019, PDB 6E9X 
  • *) 2017-04-26 Science 誌の表紙を飾る正二十面体タンパク質複合体を設計・作製・構造決定;**) 2017-05-02 中分子創薬:極めて安定な機能性人工ペプチドde novo設計と作出
  • 構成要素 (ユニット)とするヘリックス型単量体タンパク質は、それぞれ15種類の理想化した反復配列から構築 (de novo–designed helical repeat proteins, DHRs)した。
  • フィラメントの径は反復回数で調節可能であり、フィラメントの長さは、フィラメントの自己集合の進行の制御 (成長と分解)により調節可能である。
  • フィラメントの自己集合と分解は、特別なユニットとその濃度調節により実現した。特別なユニットとは、単量体タンパク質が帯びている2種類の界面の一つを欠損させたユニットであり、それぞれanchor unitとcapping unitと命名した。
  • 長さがナノメーターのオーダの数百アミノ酸からなる非対称生単量体反復タンパク質から長さがマイクロメータにおよぶダイナミックなタンパク質フィラメントをde novo設計・作出可能になったことは、タンパク質de novo設計に新たな展開をもたらした。
  • また、今回開発したユニットは極めて安定であり、他のタンパク質やナノクラスターの足場として利用可能であり、ナノバイオロジーからナノエレクトロニクスまで広範な応用を期待できる。
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