[出典] "Epigenetically reprogrammed methylation landscape drives the DNA self-assembly and serves as a universal cancer biomarker" Sina AAI, Carrascosa LG [..] Trau M. Nat Commun. 2018-12-04.
- 癌細胞のメチル化ランドスケープは正常細胞のメチル化ランドスケープとは異なる特徴を帯びている。すなわち、正常細胞ではゲノム全体にメチル化が広がっているが、癌細胞は全体として低メチル化状態にありその中でCpGリッチな調節領域にメチル化が集中してクラスタを形成する。U. QueenslandのAustralian Institute for Bioengineering and Nanotechnologyを中心とするオーストラリアの研究チームは今回、このメチル化ランドスケープを"Methylscape"と命名し、これがほとんごの癌型にみられることからMethylscapeを癌のユニバーサルバイオマーカーとして利用することを発想した。
- シトシンのメチル化(5-メチルシトシン, 5mC)のレベルと分布がDNAの物理化学的性質ひいては溶液中のDNA高分子の動態に与える影響を分析し、Methylscapeを癌ユニバーサルバイオマーカとして利用可能なことを実証した。
- DNAの溶媒和性と金ナノ粒子への結合親和性がシトシンメチル化のパターンに依存し、癌細胞のDNAが金ナノ粒子に対して正常細胞より高い結合親和性を獲得することを同定した(原論文Fig. 1-a 引用下図左とFig. 1 b-c引用下図右参照).
- この癌DNAの溶液中での特徴を利用して、金ナノ粒子の色の変化から肉眼で、または、金電極を介して電気化学シグナルから高感度かつ高精度で (血中循環セルフリーDNAの場合 感度100 fg/μL, AUC=0.887)、微量のサンプルから10分以内で癌DNAの存否を判定可能なことを示した。
- "Methylscape"が、乳癌のすべてのタイプ、前立腺癌、大腸癌およびリンパ腫に共通することを確認した。
- Methylscapeが溶液中のDNAの動態に影響を及ぼす分子機序についても考察を加えた。
- Methylscapeを介した癌DNAの金ナノ粒子または金電極への強い結合親和性を利用した癌DNAの検出法は、センサー表面の機能化処理、酵素や化学処理によるDNAの前処理、およびDNAの増幅のいずれも不要であり、ポイントオブケアのツールとして有望である。
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Eric Topol@EricTopolA universal, 10-minute, simple prep, cheap &vquot;Methylscape&vquot; for #cancer detection w/ ~90% sensitivity?… https://t.co/0XBzTJIXEJ
2018/12/10 04:09:24
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