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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160408)CRISPR関連文献メモ_2016/04/08
  • CRISPR/Cas9システムでは一般的に、Cas9がsgRNAにガイドされてDNAの標的サイトを切断し、主として非相同末端結合(NHEJ)による修復を誘起し、その際に生じる挿入/欠失(indels)によって標的遺伝子の機能が欠損する。Chen Liang (McGill U.)らは今回SupT1細胞に感染させたHIV-1について、indelsの多くがウイルス致死性(複製を阻害)であるが、同時に、一部のindelsはCRISPR/Cas9に対する耐性をウイルスに与え、ウイルスの複製が継続することを見出した。
  • すなわち、CRISPR/Cas9技術によるゲノム編集によって、DNA切断に利用されたsgRNAが認識しない配列へと標的配列を改変し、かつ、ウイルスの複製を阻害しない変異が生じた。この結果は、アムステルダム大学の研究チームによる報告[関連論文1*]を裏付る。
  • CRISPR/Cas9によって、HIV-1が感染した初代CD4陽性T細胞においてHIV-1の増殖が阻害されたとする報告[関連論文2**]もあるが、今後、プロウイルスDNAの複数サイトを標的とするsgRNAsを組み合わせたCRISPR/Cas9技術によるプロウイルス排除を考えていく必要がある。
  • * [関連文献1] Gang Wang et al. “CRISPR-Cas9 Can Inhibit HIV-1 Replication but NHEJ Repair Facilitates Virus Escape.” Molecular Therapy. 2016;24(3):522-526. Published online 2016 Feb 16. 
    ** [関連文献2] Rafal Kaminski et al. “Elimination of HIV-1 Genomes from Human T-lymphoid Cells by CRISPR/Cas9 Gene Editing.” Sci. Rep. 2016 Mar 4;6:22555. Published online 2016 Mar 4.
論文→Zhen Wang et al. “CRISPR/Cas9-Derived Mutations Both Inhibit HIV-1 Replication and Accelerate Viral Escape.” Cell Rep. 2016 Apr 19;15:1-9. Published online 2016 Apr 7. 
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