(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160410)
- パーキンソン病の顕著な特徴であるレビー小体・神経突起は主としてα-シヌクレイン(以下、α-syn)線維で形成されている。これまで、固体NMR法(solid-state NMR, SSNMR)によってα-synの2次構造解析が行われてきたが、分子量(単量体で14.5 kDa)、極めて繰り返しの多い2次構造、さらに残基縮退などのため、高分解能の3次元構造決定は困難であった。
- Chad M. Rienstra (U. of Illinois at Urbana-Champaign)らは今回、初代神経細胞培養において強い病原性を維持する形のα-syn線維の構造をSSNMRで得られた200以上の遠距離制限をもとに決定し、その結果を電顕ならびにX線線維回折で検証した(PDB登録構造:挿入図 A)。
- α-synは、アミロイド線維に共通な安定化をもたらす構造が見られた(平行in-register(線維の長軸方向に沿って分子の残基と隣接する分子の残基が整列している)βシートと疎水性コア構造。
- さらに、分子間塩橋(E46ーK80)、線維軸に沿ったグルタミン・ラダー、小型の残基が関わる近接骨格間の相互作用、α-syn独特のコンパクトなGreek-keyトポロジー(挿入図 B)を安定化するsteric zipper(βシートの向き合う側鎖が互いに組み合って形成される)によって、複雑な構造を取っていた。
- 抗うつ剤創薬の構造基盤が得られた。

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