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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "A Compact, High-Accuracy Cas9 with a Dinucleotide PAM for In Vivo Genome Editing" Edraki A, Mir A, Ibraheim R [..] Xue W, Rivera-Pérez, Sontheimer EJ (UMass Medical School). Mol Cell. 2018-12-20. 2019-02-21;73(4):714-726.e4.
  • CRISPR-Casゲノム編集では、PAM配列がNGGと比較的短い (標的可能範囲が比較的広い)こともありSpyCas9がもっとも広く利用されているが、サイズが大きい (1,368 aa)ため、sgRNAやプロモーターと共に遺伝子治療で実績があるAAVベクターへ組み込むことが難しく、また、臨床応用にはオフターゲット編集の抑制に注意が必要である。
  • SpyCas9よりも小型 (<1,100)のCas9として、NmeCas9 (1,082 aa)、SauCas9 (1,053 aa)、CjeCas9 (984 aa) 、GeoCas9 (1,089 aa)がこれまで同定されてきたが、PAM配列がSpyCas9よりも長く複雑であり標的可能なDNA配列が限られる。PAMの長さはCas9への変異導入によって短縮可能であるが、多くの場合、編集効率を犠牲にする必要がある。
  • 2013年にNeisseria meningitidis 8013株由来のNmeCas9の機能解析 [Zhang Y et al., Mol Cell 2015] を報告していたSontheimerらは今回、より単純なPAMを認識するドメイン (PID)を備えたNmeCas9を、多数の同種異株のゲノム配列から探索することを試みた。2013年の8013株由来のNmeCas9をNme1Cas9と呼び、Nme1Cas9と全長配列の同一性が86%を超え (PIDを除く領域の配列同一性 >98%)、PID領域の同一性がそれぞれ~52%と~86%の2種類のクラスタを選択し、それぞれ、De11444株と98002株由来のNme2Cas9Nme3Cas9が認識するPAMを評価し、Nme2Cas9 (1,082 aa)がNNNNCCと単純なCCのジヌクレオチドのPAMを認識することを見出した (Nme1Cas9はNNNNGATT;Nme3Cas9はNNNNCAAA)。
  • Nme2Cas9の編集活性をHEK293T細胞で確認 (sgRNAの長さ21-nt以上)
  • Nme2Cas9のオフターゲット編集は、SpyCas9に比べて極めて稀でありほとんど発生しないことをGUIDE-seqで確認
  • Nme2Cas9とsgRNAを単一AAVベクターで送達することで、マウス受精卵における遺伝子編集を確認
  • 同じくAAVベクターによる送達で、成体マウス肝臓においてPcsk9を標的とする効率的編集を介して血中コレステロールの低減を実現
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