(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160413)
構造→4ZEL: Human dopamine beta-hydroxylase (分解能 2.9 Å)
- Corresponding author: Hans E. M. Christensen (Technical University of Denmark)
- ドーパミンからノルアドレナリン(ノルエピネフリン)を生成するヒト・ドーパミン-β-水酸化酵素(dopamine β-hydroxylase/dopamine β-monooxygenase, DBH)二量体の全長結晶構造が初めて明らかにされた(挿入図1上 参照)。
- ノルエピネフリン・パスウエイはノルエピネフリンとエピネフリンを産生する唯一のパスウエイであり、ヒトの様々な行動や生理を調節し、基質のドーパミンと生成物のノルエピネフリンのバランスが、高血圧、鬱血性心不全、アルツハイマー病、コカイン中毒、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、トゥーレット症候群、うつ病、注意欠陥多動性障害(ADHD)など広範な疾患に関連している。
- 1,600を超えるタンパク質に見出されるDBHのN末端ドメイン“DOMON”に、金属結合部位とリガンド結合ポケットが見られた。
- 触媒活性コア構造には、DBHが属する酵素ファミリー*に属する他のタンパク質に見られる開かれた状態と、閉じた状態**の2種類のコンフォメーションが見られた(挿入図2と挿入図1下参照)。
* ペプチジルグリシンα-ヒドロキシル化(α-アミド化)モノオキシゲナーゼ
** 2か所の銅結合サイトは近接し(間隔 4〜5Å)、結合二核銅 (TypeIII銅)の活性サイトを構成
- 二量体化ドメインは、他のタンパク質には見られないコンフォメーションを取っていた。
- 既知のアミノ酸非同義置換の中で、V101MとD114Eは、DOMONドメインにおける金属結合部位かその隣と、リガンド結合ポケットの底に位置することから、疾患の病因となる機構を想定可能であったが、dbSNPに登録されているコーディング領域のSNPは、構造全体に分布して銅結合やグリコシル化に影響を与えない。
- DBH阻害剤(nepicastatとetamicastat)の臨床開発が進んでいるが、DBHの結晶構造は新たなDBH阻害剤開発の構造基盤となる。
構造→4ZEL: Human dopamine beta-hydroxylase (分解能 2.9 Å)


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