(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160417)
  • Corresponding authors:貝森淳哉 (大阪大学);木村 宏 (東京工業大学/大阪大学)
  • ヒストンのアセチル化は一般に遺伝子の活性化とクロマチンの脱凝縮に関与するが、研究チームは今回、H4Lys20のアセチル化 (H4K20ac)が遺伝子抑制に関与することを見出した。
  • H4K20acがヒト細胞(HeLa細胞)でも起こることは2013年に見出された。研究チームは、H4K20acのモノクローナル抗体を作出し、HeLa-S3細胞を対象としてChIP-seq解析を行い、H4K20acの動態と機能を明らかにした。
  • 発現している遺伝子のTSSsに集中するほとんどのヒストン・アセチル化と対照的に、H4K20acはごく微量に発現する遺伝子の転写開始サイト(TSSs)に集中し、また遺伝子の転写領域部位(gene body)にも存在した。
  • H4K20acの分布は既知のヒストン修飾と相関が見られなかった。遺伝子抑制性のH3メチル化 (H3K9me3, H3K27me3)との相関も見られず、完全にサイレンシングされている遺伝子のTSSsとの相関が低い。
  • H4k20acが集中する配列のモチーフとENCODE ChIP-seqデータに基づいた転写因子結合プロファイルの探索から、ほとんどの転写活性化因子が、H4K20acが集中している遺伝子から排除され、また、転写抑制因子NRSF/RESTがH4K20acと共局在していることを見出した。