[出典] "Reprogramming the antigen specificity of B cells using genome-editing technologies" Voss JE, Gonzalez-Marticn A [..] Burton D. eLife. 2019-01-16. (bioRxiv. 2018-10-29)
  • D. R. Burton (Scripps Research Institute)らの研究グループは、ゲノム編集技術によって免疫グロブリン遺伝子を改変することで、ヒト抗体レパートリーに、天然の抗体親和性の成熟 (affinity maturatin)では生成されない新たなパラトープ (抗原結合部位)を発現するB細胞の作出を実現した。
  • 具体的には、RamosB細胞ヒトバーキットリンパ腫・Bリンパ球様細胞株において、CRISPR-Cas9によるHDR過程を介して、重鎖 (HC)可変領域を、HIV広域中和抗体, PG9,のHC可変領域と置換した。これによって、細胞内でのV(D)J遺伝子再構成を経て、内在軽鎖 (LC)とPG9のHCとのペアを発現する改変遺伝子座形成を経て、B細胞表面にHIVに特異的なB細胞受容体 (BCRs)を発現する。また、改変B細胞において、内在する活性化誘導シチジンデアミナーゼ (activation-induced cytidine deaminase, AID)を介したIgクラススイッチと体細胞超変異を経て、抗HIV中和活性が強化されたBCR変異体が生成されることを確認した。
  • [下図左] キメラ抗体のHIVsに対する中和効果のヒートマップ (bioRxiv版のFigure 1から引用);[下図右] VDJ locus in Ramos細胞株におけるHC VDJ遺伝子座 (bioRxiv版のFigure 2から)
2019-01-17 12.19.42 2019-01-17 12.45.21