(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160423)
- [NEWS] ヒト胚ゲノム編集研究前へ:Ewen Callaway (Nature reporter)
- 英国におけるヒト胚ゲノム研究認可、中国における2回目のヒト胚ゲノム編集論文公開、カロリンスカ研究所Fredrik Lannerのヒト胚ゲノム編集研究着手を取り上げて、基礎研究を目的とするヒト胚ゲノム編集研究が勢いを増していると報道。
- [論文] 骨髄性白血病細胞の成長を調節するマイクロRNAをゲノムワイドで同定:Ryan M. O’Connell (University of Utah)
- ヒト細胞には1,000種類を超えるマイクロRNA(miRNAs)が存在し、それぞれが疾患に関与する可能性を秘めている。O’Connellらは今回、CRISPR/Cas9技術を利用した機能欠失型スクリーニングによって、miRNAsとタンパク質コーディング遺伝子(以下、タンパク遺伝子)双方の機能をハイスループットで同定することが可能なことを示した。
- 同定対象は、急性骨髄性白血病細胞(AML)の成長を促進/抑制するタンパク遺伝子とmiRNAsである。AML患者由来でホモ接合型FLT3-ITD変異とMLL-AF4融合遺伝子を有するMV4-11細胞(以下、細胞)に、各タンパク遺伝子を標的とする3種類のsgRNAsと各miRNAs遺伝子座を標的とする4種類のsgRNAsを含むlentiCRISPR v2ライブラリーを利用し、CRISPR/Cas9のオールインワン・コンストラクトとして細胞に導入し、機能欠失型スクリーニングを行った。
- 標的とした19,052タンパク遺伝子の中から、その欠失が細胞数を増加する715遺伝子(多くの腫瘍抑制遺伝子、TSGs)と、細胞成長を抑制する516遺伝子を同定した。また、miRNAのプロセッシングに関与するアルゴノート2(Ago2)、ダイサーまたはドローシャの欠損が細胞成長を抑制することも見出した。
- 予備実験で細胞での発現を確認し進化的に保存されている成熟miRNAs197種類の中で、細胞成長に影響を与える27種類を同定:
- 細胞成長を促進する代表的miRNAsとしてmiR-150, miR-155ならびにmiR-182
- 細胞成長を抑制する代表的miRNAsとしてmiR-491とmiR-355。
- さらに、細胞成長の抑制/促進の観点からタンパク遺伝子とmiRNAsを行と列とするヒートマップにおいて、逆相関の関係を見ていくことによって(anti-correlation functional profiling)、機能的に関連するmiRNAとタンパク遺伝子の組み合わせを同定することを試みた。この解析法からmiR-150がp53を抑制する関係を見出したが、これは、それを裏付ける実験データが蓄積されている関係であった。
- [成書] Streptococcus pyogenes CRISPR/Casシステムの機能と応用 :Luciano A. Marraffini (Rockefeller University)
- ゲノム編集ツールとして広く利用されたことによって、CRISPR/Casシステムの中で最もよく研究されてきたS. pyogènes CRISPR/Cas9システムのコンパクトなテキスト。
- S. pyogenes のCRISPR遺伝子座;Cas9による防御;感染の記憶;Cas9に拠る遺伝子編集
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