(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160428)
Gintautas Tamulaitis; Virginijus Šikšnys (Vilnius University)
- Streptococcus thermophilus (St)のタイプⅢ-A Csm (StCsm)は、crRNAの標的となるファージmRNAへの結合によってDNA分解(DNase)を活性化し、それに引き続くRNA切断によってDNase活性を抑制することを明らかにした。また、crRNAの5末端ハンドル部分と標的DNAの3末端隣接配列が相補的であることがファージDNAの切断を阻害しないが、宿主DNAの切断に対しては阻害となっていること(自己DNAの保護機構)を明らかにした (論文公開まで:Received 2015/12/29; Revised 2016/02/25; Accepted 2016/03/22; Published 2016/04/21)
- CRISPR/Casシステムは多様である。CRISPR/CasシステムはタイプⅠ〜Ⅴに分類され、タイプⅢはさらにサブタイプA〜Dに分類されている。タイプⅠとタイプⅡではそれぞれCascadeとCas9がDNAを分解する。タイプⅢ-BのCmr複合体はRNAとDNAの双方を切断する(Elmore, J. R. et al.;Estrella, M. A et al.)(挿入図1はThermus thermophilus 由来Cmr複合体構造機能解析に基づくmRNA分解機構のモデル図)。
- StCsmと同じタイプⅢ-Aに属するStaphylocccus epidermidis Csm複合体(SeCsm)も、RNAとDNAの双方を切断することが報告されていた(論文公開まで:Received 2015/07/10; Accepted 2015/12/21; Published online 2016/02/04)。SeCsmは Cas11; Cas21;Cas10(Csm1)1; Csm21; Csm31;Csm41; Csm51; Csm61; Cas61とcrRNAの構成で、感染ファージに対して、Cas10がDNase活性を担い、Csm3とCsm6がRNase活性を担う (タンパク質名のサフィックスは個数)。
- StCsmは、Cas10(Csm1)1;Csm23;Csm33;Csm45;Csm51とcrRNAの構成。StCsmが標的RNAに結合すると、Cas10(Csm1)のHDドメインによるDNA分解が活性化する。標的RNAがCsm3によって分解されるとDNase活性が失われる。
- 論文→Migle Kazlauskiene et al. “Spatiotemporal Control of Type III-A CRISPR-Cas Immunity: Coupling DNA Degradation with the Target RNA Recognition.” Mol. Cell. 2016 Apr 21;62(2):295-306.
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