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(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160429)
  • Jesus Bertran-Gonzalez (Clem Jones Centre for Ageing Dementia Research, U. Queensland)らオーストラリアの研究チームは、老化に伴って判断行動の柔軟性が失われていく現象と脳神経回路の不全との相関について仮説を立てマウスで実証した。
  • 目的指向的行動と神経回路の相関に関しては、大脳基底核の主要な構成要素である線条体の背内側領域(dorsomedial striatum, DMS)が目的指向的行動に関わるとされていたところ、視床における束傍核(PF)からアセチルコリンの主要な供給源である線条体コリン作動性ニューロン(CIN)へのパスウエイ(CF-to-CIN)からDMSヘの投射が、過去の記憶と新たに得た記憶の適切な統合に必須であるという報告が加わった (Goldberg and Reynolds, 2011)。
  • 老化に伴うCF-to-CINの不全によって行動選択の硬直化が起こるという仮説のもとに、若年マウス(2〜3か月)と老年マウス(20〜22か月)を対象として、目的指向的行為の新しい状況への適応の観察と神経回路の活性化の可視化測定の結果を対応させ、さらに、関与が疑われた神経回路の一部を欠損させた若年マウスの行動と神経系を分析した。
  • 目的指向的行動実験では、行動(レバーを押す)と報酬(2種類の穀物ペレットから好みのペレットを得る)の学習ラウンドを2回、1回目と2回目で行動と報酬の関係を入れ替えて、繰り返した。1回目の学習ラウンドにおいて老年マウスも好みの穀物ペレットを得るレバーを選択することができた。2回目の学習ラウンドにおいて好みのペレットを得るレバーを、若年マウスは短時間で特定したが、老年マウスは特定できなかった(2種類の穀物パレットが出てきる2種類のレバーをほぼ同じ頻度で押し続けた)。すなわち、老年マウスでは、過去に得た記憶と新たに得た記憶の間に干渉が起こり、目的を達成する行動を選択できなかった。
  • 脳神経回路の活性化の観察から老化に伴ってCF-to-CINパスウエイの興奮性が変化し、特に、老年マウスのCINが若年マウスより高頻度に発火するが、若年マウスに見られた不規則な発火パターンが失われていた(多様性が失われていた)。
  • CF-to-CINパスウエイの中でCINを選択的に破壊した若年マウスは、老年マウスと同様な行動を示した。
  • [情報拠点] CIN発火パターンの固定化は、晩節を汚す選択をしがちな基質的裏付けであり、アセチルコリンを摂取しても回復しない、とも思われる。自戒。
論文→Miriam Matamales et al. “Aging-Related Dysfunction of Striatal Cholinergic Interneurons Produces Conflict in Action Selection.” Neuron. 2016 Apr 20;90(2):362-73. 
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