- [論文] CRISPR/Cas9による選択的ホモ変異とヘテロ変異の効率的誘発法“CORRECT”:Marc Tessier-Lavigne (Rockefeller University)
- CRSIRP/Cas技術応用において、NHEJに拠る遺伝子ノックアウトは広く普及しているが、HDRに拠る遺伝子編集は効率と精度が低く疾患モデルの作出に広く利用されるに至っていない。加えて、ヘテロ変異を病因すると疾患モデルを、単一アレルへの変異ノックインに拠って作出した例も未だ無い。
- “CORRECT”法:CRISPR/Cas9とssODNを利用して、Cas9によるDSBの相同組み換え修復 (HDR)過程を介した配列のノックインや置換が可能になる。しかし、HDRはほとんどの場合NHEJ修復過程に因るINDELsを伴う。これは、Cas9によるDSBが標的遺伝子座が標的不可能になるまで繰り返されるためと考えらえる。そこで、研究チームは今回、目的とする遺伝子座の編集時に同時に、Cas9の過剰な活性を抑制する変異(CRISPR/Cas9-bocking mutation)を導入する手法に着想し、本来の変異に加えてPAMまたはsgRNAの標的配列に意図的に変異を導入するssODNをドナーとして利用する“CORRECT”法を開発した。
- “CORRECT”法を利用し、また、単一アレル変異と両アレル変異の発生がCas9切断サイトと変異導入サイトの間の距離に依存することを同定・利用し、あるいは、野生型と変異型の配列のssODNsを併用することで、ホモ型およびヘテロ型のアルツハイマー病病因変異(アミロイド前駆体タンパク質におけるAPPSweとプレセニリン1におけるPSENM146V)を有するヒトiPSCを樹立し、疾患表現型を示す皮質ニューロン誘導を実現した。
- [論文] CRISPR/Cas9リボ核タンパク質複合体(RNP)によって最大限の突然変異誘発を実現:Christian Mosimann (University of Zürich)
- 蛍光タグを付したCas9/sgRNAをKCl溶液中で組み立てゼブラフィッシュの胚にマイクロインジェクションし、その結果を、Rパッケージに基づいたCrispRVariantsで評価した。
- 標的とした遺伝子座において飽和に達する効率的な両アレル変異誘発を実現し、標的遺伝子に対応する機能喪失表現型を有する系統の確立に成功。
- また、遺伝子発現調節領域の非コード要素を標的とすることによって、機能調節因子の同定に成功。
- [論文] X連鎖性低リン酸血症(XLH)モデル動物の作出:Tingting Sui; Liangxue Lai (吉林大学)
- 遺伝性くる病の主たる原因であるXLHの責任変異は、PHEX遺伝子の不活性化または変異である。ウサギのPHEX遺伝子を、Cas9/sgRNAのmRNAの接合子へのインジェクションによってノックアウトすることで、XLHモデル動物の作出に初めて成功。
- [論文] イネへのイモチ病耐性の付与 :Kaijun Zhao (Institute of Crop Science, Beijing)
- CRISPR/Cas9によって、OsERF922遺伝子に種々のInDel変異を導入し、イモチ病耐性が付与され、作物としての特性は維持されることを実証。
|CRISPR , 最終更新2022年PDISニュースウオッチ・アーカイブ
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