#2019-02-27 crisp_bio注: 項目1に NIH所長F. Collinsの関連ブログへのリンクを追加
1. デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD)モデルマウスにSaCas9をAAVで送達してからの1年
[出典] "Long-term evaluation of AAV-CRISPR genome editing for Duchenne muscular dystrophy" Nelson C [..]  Gersbach CA. Nat Med. 2019-02-18; "More Progress Toward Gene Editing for Kids with Muscular Dystrophy" Collins F. NIH Director's Blog. 2019-02-26
  • CRISPR-Cas9システムによるDMDモデルマウス (mdxマウス)の遺伝子治療実験が続いてきたが、C. A. GersbachらDuke UとU. North Carolina Chapel Hillの研究グループは今回初めて、CRISPR-Cas9システムを送達後長期間 (1年間)にわたりその効用と安全性を追跡した。
  • Dmd遺伝子の第23エクソンを標的とするSaCas9とsgRNAを帯びたAAVコンストラクトを8週齢の成体マウスと2日齢の新生仔マウスに1回それぞれ尾静脈注射と顔面静脈注射し、1年後もゲノム編集活性とジストロフィンタンパク質の回復が継続していることを確認した。
  • また、このAAV-CRISPRの手法が成体マウスでは免疫原性を示すが、新生仔マウスでは液性免疫反応も 細胞免疫反応も引き起こさないことを見出した。
  • さらに、AAV-CRISPRのオフターゲット編集は1年後も最小限であったが、AAV-CRISPRが意図せざるゲノム改変と転写改変を誘導することも見出した。すなわち、オンターゲット部位での欠失誘導の他に、AAVの組み込みまたは環状RNA増加が見られたが、マウス自体への副作用は見られなかった。
2. [特許] ヌクレアーゼ、ニッカーゼあるいはDNA結合の活性を維持しつつ有用なCas9変異体の作出とその利用
[出典] PATENT US20190040371A1 "Mutant Cas9 Proteins" 
  • 公開日 2019/02/07;発明者 Chavez A, Poelwijk FJ, Church GM;権利者 Harvard College 
  • SpyCas9より小型のNM-Cas9 (Neisseria meningitides Cas9) の保存性の低い配列の除去によるさらなる小型化やNM-Cas9のC末端領域とST1-Cas) (Streptococcus thermophilus Cas9)のC末端領域の置換
3.  [特許] CRISPR-Cas9のAAV送達による眼疾患の治療
[出典] PATENT US2019003872A1 "Adeno-Associated Virus-Mediated CRISPR-Cas9 Treatment of Ocular Disease"
  • 公開日 2019-02-07;発明者 Buchlis G, Anguela X, High KA.;権利者 Assignee Spark Therapeutics
  • タイプⅡ CRISPR-Cas9、gRNA、そしてまたは遺伝子修復または置換用ドナーテンプレートをAAV二種類または三種類で送達
  • CRISPR技術による眼疾患遺伝子治療関連crisp_bio記事:2019-01-22 EDIT-101によるレーバー先天性黒内障タイプ10 (LCA10)からの視力回復 (細胞/マウス/サル・モデル)
4.  [特許] CRISPR/Cas9の核内輸送を介した細胞内RNAの追跡と操作
[出典] PATENT US20190040370A1 "Tracking and manipulating cellular RNA via nuclear delivery of CRISPR/Cas9"
  • 公開日 2019-02-07;発明者 Yeo G, Nelles DA, Fang M, Batra R;権利者 University of California
  • 技術内容についてはcrisp_bio記事参照:2017-04-22 RCas9: dCas9のRNA認識を可能にし、生細胞内でRNAを追跡
5.  [特許] Cas9とDNAターゲッティング・ユニット (DTU)のキメラタンパク質によるゲノム編集の高精度化、高活性化および標的可能領域拡大
[出典] PATENT US10190106 "Cas9-DNA targeting unit chimeras"
  • 取得日 2019-01-29;発明者 Wolfe SA, Bolukbasi MF, Sontheimer EJ, Amrani N ;権利者 University of Massachusetts.
  • 技術内容についてはcrisp_bio記事参照:2018-11-21 SpCaspとSaCas9またはNmCas9とのキメラタンパク質によるゲノム編集の標的可能領域拡大と高精度化