1. CRISPR/Cas9によるアレル特異的ノックアウトを介して表現型原因遺伝子を精密かつ迅速に同定
[出典] "Precise and Rapid Validation of Candidate Gene by Allele Specific Knockout With CRISPR/Cas9 in Wild Mice" Chao T, Liu Z [..] Liang Y,  Lu L. Front Genet. 2019-02-19.
  • Xinxiang Medical Universityを中心とする中・英の共同研究グループは今回、 M. m. domesticusから300万年前に分離したとされるマウス亜種M. m. musculus由来の近交系マウスPWD/PhJとB6マウスとのF1世代をモデルとして、表題手法が原因遺伝子特定に有効であることを示した。
  • 研究グループは、はじめにPWDマウスとB6マウスで著しく異なるT細胞の表現型を発見し、連鎖マッピングから差異をもたらす候補遺伝子座として第2染色体 (Chr2)上の遺伝子座を同定し、B6.PWD-Chr2コンソミック系の遺伝子座において、B6由来コピーに影響せずPWD由来コピーを選択的に標的とするCRISPR/Cas9を利用することで、Cd44を原因遺伝子として特定した。
2. CRISPR-PIN: 酵母細胞核内での遺伝子局在の制御を可能にするdCas9技術
[出典] "CRISPR-PIN: Modifying gene position in the nucleus via dCas9-mediated tethering" Lin JL, Ekas H, Deaner M, Alper HS (University of Texas at Austin). Synth Syst Biotechnol. 2019-02-15.
  • dCas9にコヒーシン・ドメインを結合し、核膜タンパク質をドックリン・ドメインで標識することで、コヒーシン-ドックリン相互作用を介して、真核生物細胞内で、動原体を欠損したプラスミドの局在と分配、および、5種類の内在遺伝子座の再配置を実現した。
3. 内在するクオラムセンシング調節因子の一種であるCdpRがcasオペロンの転写を阻害し、ファージ感染のリスクを高める一方で、自己ゲノムターゲッティングのリスクを抑制する
[出典] "CdpR inhibits CRISPR-Cas adaptive immunity to lower anti-viral defense while
avoiding self-reactivity" Lin P [..] Wu M. iScience 2019-02-05.

4. CRISPR技術による枯草菌の遺伝子発現の多元的調節
[出典] "CRISPR-assisted multi-dimensional regulation for fine-tuning gene expression in Bacillus subtilis" Lu Z, Yang S, Yuan X, Shi Y, Ouyang L, Jiang S, Yi L, Zhang G. Nucleic Acids Res. 2019-02-15.
  • Oligonucleotide Annealing based Promoter Shuffling (OAPS)と命名した手法で開発した強力なプロモータによる転写レベルでの調節、枯草菌のRNAポィメラーゼのサブユニットωをdCas9に融合したdCas9-ωを介したCRISPRaによる分子シャペロンの機能強化を介した標的タンパク質の折り畳み促進、加えて、細胞外プロテアーゼのdCas9-ωを介したCRSIRPRiによる抑制の多元的調節を介して、遺伝子発現の微妙な調節を可能とし、BLAアミラーゼ収量を260倍向上。
5. 一本鎖DNA (ssDNA)リコンビニアリングとCRISPR-Cas9による有用微生物シュードモナス・プチダKT2440ゲノム編集
[出典] "Combination of ssDNA recombineering and CRISPR-Cas9 for Pseudomonas putida KT2440 genome editing" Wu Z, Chen Z, Gao X, Li J, Shang G. Appl Microbiol Biotechnol. 2019-02-14.
  • バイオレメディエーションに利用されているP. putida KT2440のゲノム編集法
6. ラクトバチルス‐ヘルヴェティクスのCRISPRアレイ同定
[出典] "Survey on the CRISPR arrays in Lactobacillus helveticus genomes" Scaltriti E [..] Zago M. Lett Appl Microbiol. 2019-02-14.
  • 25ゲノムを解析し23ゲノムにてのべ40種類のCRISPR遺伝子座を同定し、その多様性をジェノタイピングに利用可能とし、Cas3が存在することからタイプI CRISPRシステムと判定した。