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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

出典
  • [米国Salk Institute] "Single-dose CRISPR-Cas9 therapy extends lifespan of mice with Hutchison-Gilford progeria syndrome" Beyret E, Liao HK [..] Izpisua Belmonte JC. Nat Med. 2019-02-18.
  • [U. de Oviedo (Spain)とQueen Mary U. of London (UK)など] "Development of a CRISPR/Cas9-based therapy for Hutchinson–Gilford progeria syndrome" Santiago-Fernández O [..] Freije JMP, López-Otín C. Nat Med. 2019-02-18.
  • プロジェリア症候群 (Hutchinson–Gilford progeria syndrome, HGPS) の80-90%は、ラミンAとラミンCをコードするLMNA遺伝子のエクソン11の点変異 (c.1824C > T; p.Gly608Gly)が病因である。
  • この変異により、内部から50アミノ酸を欠損した異常ファルネシル化ラミンA、プロジェリン(progerin) 、が生成・蓄積され、核膜の形態と機能が改変される。マウスモデルLMNAG609G/G609Gはこの変異とプロジェリア症候群の少年に見られる臨床的特徴を良く再現している。
LMNA遺伝子
  • LMNA遺伝子は、選択的スプライシングとポリアデニル化を介して、アミンC (エクソン1-10)とラミンA (エクソン1-12)の双方をコードしている。また、ラミンAは必須タンパク質ではないことから、アミンCに影響を与えないエクソン11の変異を標的とするHGPSの遺伝子治療が可能である。
Salk Instituteの研究チーム
  • SpCas9を発現させたプロジェリア症候群モデルマウスにエクソン11の変異の上流を標的とするsgRNAsをAAV9で1回送達することで、ラミンAとプロジェリンの生産が抑制され、プロジェリア症候群や加齢にともなう臨床的特徴が抑制され、生存期間が~25%程度延びることを見出した。
U. de OviedoとQueen Mary U. of Londonのスペイン・英国研究チーム
  • エクソン11の変異の上流を標的とするHGPS患者由来細胞へのSpCas9-sgRNAの送達と、プロジェリア症候群モデルマウス腹腔にSaCas9-sgRNAを帯びたAAV9を注入することで、細胞モデルでもマウスモデルでも、Salk Instituteとは独立であるが同様に、ラミンAとプロジェリンの生産が抑制され、症状が改善されることを見出した。
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