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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/06/04)
  1. [論文] CRISPRによる生細胞中での遺伝子座のラベル付けをRNAアプタマーを利用して2色化 
    • Corresponding author: Siyuan Wang (Harvard University)
    • これまでの多色ラベル化は異なる微生物種由来の不活性化Cas9(dCas9)の併用によって実現されていたが、今回、特性が詳細にされているStreptococcus pyogenes 由来dCas9に、RNAアプタマー(MS2またはPP7)を組み合わせることで2色化を試み(挿入図左)、テロメアの反復配列で実証。
    • 38130001
    • RNAアプタマーをsgRNAのテトラループおよびステムループ2(挿入図右)に結合することでS/N比が向上。
  2. [レビュー] CRISPR/Cas9によるヒトゲノム工学と疾患研究 
    • Authors: Xin Xiong1, Meng Chen2Wendell A. Lim1, Dehua Zhao2, and Lei S. Qi2 (1UCSF; 2 Stanford U.)
    • 138報の文献を引用しつつ遺伝子編集、転写制御、ゲノム可視化およぶエピジェネティクス修飾に関するCRISPR/Cas9技術開発の最新動向をレビューし、機能ゲノミクス(ゲノムワイドでの遺伝子スクリーニングを中心として)と医療(疾患モデルの作出、遺伝子治療、オフターゲット低減など)における応用について論じた。
  3. [短報] CRISPR/Cas9 RNPによるブタ体細胞への遺伝子ノックイン
    • Corresponding author: Bhanu P. Telugu (University of Maryland)
    • RISPR/Cas9 RNPを利用し、低分子SCR7によってDNAリガーゼⅣとNHEJパスウエイを阻害してHDR効率を高めることによって、ブタのCOL1A 遺伝子の下流に偽attPサイトを高効率でノックインし、続いて、phiC31インテグラーゼを介してGFP外来遺伝子を導入するプラットフォームを構築。
  4. [論文] 減数分裂特異的プロモーターを介したCas9発現によって標的突然変異導入を効率化
    • Corresponding author: Magdy M. Mahfouz (King Abdullah University of Science and Technology)
    • CRISPR/Cas9によるシロイヌナズナのT1世代へのホモ変異/両アレル変異導入は効率が低かった。今回、減数分裂Iに特異的なプロモーター(AT4G40020)を介してCas9を発現させることで、T1世代変異体を28%の高い効率で実現。また、3種類の遺伝子を標的としたT1世代変異体の生成にも成功。
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