- [Research Highlights] CRISPR、がんの増殖を阻害する
- Dana-Farber Cancer InstituteのWilliam C. Hahnらの“Genomic copy number dictates a gene-independent cell response to CRISPR-Cas9 targeting.”論文を、新たながん療法の観点からハイライト(CRISPR関連文献メモ_2016/06/09(6件) - 2 “遺伝子増幅がCRISPR/Cas9によるがん細胞必須遺伝子スクリーニング結果に与える影響(2)”参照)。
- [論文] 抗CRISPRタンパク質によるバクテリアCRISPR-CASシステムの不活性化
- Corresponding authors: Karen L. Maxwell; Alan R. Davidson (University of Toronto)
- 研究チームはこれまでに、Pseudomona ファージのゲノムに、CRISPR/Casシステムを不活性化する抗CRISPRタンパク質ファミリー9種類がコードされていることを明らかにしてきた:
- 抗CRISPRタンパク質に依るCRISPR/Cas9阻害の機構 (CRISPR関連文献メモ_2015/09/30(論文 4件、レビュー 2件)- 1)
- “A New Group of Phage Anti-CRISPR Genes Inhibits the Type I-E CRISPR-Cas System of Pseudomonas aeruginosa” mBio. 2014 Apr 15;5(2):e00896.
- 研究チームは今回、ファージおよび様々なバクテリアの可動遺伝要素にコードされている抗CRISPRタンパク質を、バイオインフォマティクスにより解析した。
- Pseudomonas aeruginosa とPectobacterium atrosepticum 双方のI-F型CRISPR/Casシステムを阻害する抗CRISPRタンパク質ファミリーを新たに5種類同定した。
- 抗CRISPRタンパク質が、CRISPR/CasシステムのI-F型とI-E型の双方を阻害することを見出した。
- 抗CRISPRタンパク質は、プロテオバクテリア門全体に分布していた。
- 抗CRISPRタンパク質は、CRISPR/Casシステムを不活性化することで、原核生物間のDNAの移動に大きく影響してきたと考えられる。
1 Research Highlights→“CRISPR blocks cancer growth” Nature. 2016 Jun 16;534(7607):298
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