(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/06/19)
  • Corresponding author: Alexandre Carpentier (Assistance Publique–Hôpitaux de Paris (AP-HP)/Sorbonne U.)
  • 前臨床試験において、超音波パルス照射によって血液脳関門(BBB)を崩壊させることで、脳内の薬剤濃度を高め、腫瘍の成長を遅らせることが可能なことが実証されていた。今回、外部からの超音波エネルギーは、ヒトの頭蓋骨によって殆ど減弱されてしまう問題を回避する手法を開発し、第1相/第2相試験へと進んだ
    • ヒトの頭蓋骨に固定可能で外部からパルス状に励起する超音波発信デバイス(直径 11.5mm)、SonoCloud®、を開発。再発性神経膠芽腫患者5コホート15名の協力を得て、超音波照射とカルボプラチン(Carboplatin)投与を行う治験を実施。
    • SonoVue™マイクロバブルの静脈注入に合わせてパルス状の低出力超音波を照射。造影剤を用いたMRIによる画像は、BBBが超音波からの圧力(1MPaまで)によって崩壊することを示した。BBBは、超音波照射後一定時間で復旧した。
    • MRI診断と臨床診断では副作用は見られなかった。
    • BBBが一時的に崩壊している間にカルボプラチンを投与する処方により、超音波が到達した範囲での腫瘍成長が抑制された。