crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

1. [ミニレビュー] CRISPRゲノム編集により強力なCAT-T細胞を構築する
[出典]  MINI-REVIEW "Building potent chimeric antigen receptor T cells with CRISPR genome editing" Liu  J, Zhou G, Zhang Li, Zhao Q. Front Immunol. 2019-03-19.
  • 澳門大学とUniversity of Texas MD Anderson Cancer Centerのチームによるミニレビュー:CAR-T療法の副作用 (サイトカイン放出症候群, ガンマレトロウイルスまたはレンチウイルスによる遺伝子挿入の安全性 (がん原性挿入変異), 移植片対宿主病)、CRISPR技術によるユニバーサルCAR-T細胞、PD-1阻害耐性対策およびCARの標的部位特異的ノックイン、CRISPR遺伝子編集CAR-T療法の安全性 (下図はレビュー図1から引用したキメラ抗原受容体(CAR)3世代の紹介)CAR-T
2. HIV-1の遺伝的多様性が、CRISPR-Cas9の抗ウイルス活性とウイルスのエスケープに与える影響
[出典] "The Impact of HIV-1 Genetic Diversity on CRISPR-Cas9 Antiviral Activity and Viral Escape" Darcis G, Binda CS, Klaver B, Herrera-Carrillo E, Berkhout B, Das AT. Viruses. 2019-03-13.
  • CRISPR-Cas9によりHIV-1感染細胞におけるHIV-1複製とウイルス・エスケープを阻害可能とするHIV-1ゲノムの保存性の高い領域を標的とする一対のgRNAs (dual-gRNA)を同定したAmsterdam University Medical CentersとLiège University Hospitalの研究チームが、HIV-1遺伝子の高頻度遺伝子変異の影響を測るために、一連のサブタイプに対するdual-gRNA戦略を検証:ほとんど全てのサブタイプに対して少なくとも一組みの有効なdual-gRNAを選択可能;ほとんどのgRNAと標的との1塩基ミスマッチは効力に影響しないが、Cas9切断サイトでの1塩基ミスマッチと2塩基ミスマッチによって効力が大きく低減
3. [レビュー] CRISPR-Cas9技術によるパーキンソン病 (PD)の分子機構解明の動向
[出典] INVITED REVIEW "Utilization of the CRISPR-Cas9 Gene Editing System to Dissect Neuroinflammatory and Neuropharmacological Mechanisms in Parkinson’s Disease" Luo J, Padhi P, Jin H [..] Kanthasamy AG. J Neuroimmune Pharmacol 2019-03-16.
  • Iowa State Universityの研究チームによるレビュー:α-シヌクレイン遺伝子SNCAのタギング; 感受性遺伝子のスクリーン; Parkin/DJ-1/PINK1のトリプルノックアウトなどのPDモデル動物作出; PDに関与する新奇早期アポトーシスパスウエイ同定; PDに関与する神経炎症機構の解明; 病因遺伝子変異の修復; 解決すべき課題
4. CRISPR-Cas9が誘発する小規模indelsをアガロースゲル電気泳動により検出するシンプル・廉価・迅速なジェノタイピング法
[出典] "A simple genotyping method to detect small CRISPR-Cas9 induced indels by agarose gel electrophoresis" Bhattacharya D, Van Meir EG. Sci Rep. 2019-03-14.
  • Emory University School of Medicineの研究チームが、CRISPR標的領域のPCRから得られるホモ二本鎖またはヘテロ二本鎖の高密度なアガロースゲルのもとでの電気泳動移動度の差異に基づいて、2-bpよりも大きなindelsを同定可能とし、CRSIPR-Cas9で作出したトランスジェニック・マウスのファウンダーのジェノタイピングと、トランスジェニックマウスのコロニーにおける子孫のジェノタイピングで実証 (原論文Figure 3引用下図参照) 2019-03-20 14
5. 科学界の'寛容な空気'の中で'CRISPR babies'実験が起きたのではないか?
[出典] CORRESPONDENCE "Did a permissive scientific culture encourage the ‘CRISPR babies’ experiment?" Dickenson D (U. London/U. Bristol), Darnovsky M (Center for Genetics and Society). Nat Biotechnol. 2019-03-15.
  • Nuffield Council (ナフィールド生命倫理審議会)のレポート*を検証し、その至らざるところがエリート科学者の間の寛容な空気をさらに醸成し、賀建奎の選択を後押ししたと分析し、ヒト生殖細胞系列のゲノム改変のリスクを確固として主張する必要がある、と主張。
  • (*) CRISPRメモ_2018/07/19 [第7項] ナフィールド生命倫理審議会は、次世代に影響を及ぼすヒト胚、精子または卵子のDNAの編集'heritable genome editing interventions'を許容する、と結論
  • CRISPRbabies関連crisp_bio記事例:2019-02-27 賀建奎らによるヒト胚でのCCR5遺伝子編集の意味を改めて考える (2)
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