(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/06/28)
  • Corresponding authors: 永田宏次;田之倉 優(東京大学)
  • 高静水圧(high hydrostatic pressure: HHP)によるGPCRの可溶化を試みた。
    • クラスA GPCRの一種であるカイコガのフェロモン生合成活性化神経ペプチド受容体(pheromone biosynthesis-activating neuropeptide receptor: PBANR)を、expresSF+® 昆虫細胞中で、C末端にEGFPを融合したタンパク質として発現させた。
    • PBANR-EGFP融合タンパク質をHHPにより可溶化:0-2.0%(w/v )の界面活性剤n-ドデシル-β-D-マルトピラノシド(DDM)の存在下で1-16時間200MPaのHHPを加えた。
    • 0-2.0%(w/v )のDDM存在下、1時間のHHP処理で、HHP処理をしない場合の〜1.5倍量の可溶化PBANR-EGFPを得た。
    • 蛍光検出ゲルろ過クロマトグラフィー法(Fluorescence-detection size-exclusion chromatography:FSEC)によって、PBANR-EGFPのリガンド結合能が維持されていることを確認。
    • 1.0% DDMの存在下、6時間のHHP処理で可溶化したPBANR-EGFPもリガンド結合能を維持していたが、HHP処理を施さなかった場合は、タンパク質は変性した。